黒沢温泉(Kurosawa Spa   


施設名 栄の宿 一陽館
場 所 山形県山形市黒沢
源泉名 組合源泉、第2号源泉
泉 質

ナトリウム-硫酸塩泉(芒硝泉)

温 度 40.7℃ pH 7.9 溶存成分総計 3,246mg/kg

(Na 960mg, Ca 35mg, SO4 1536mg, Cl 279mg, HCO3 316mg)

お湯の様子 無色透明、まろみ+薄塩味、芒硝系温泉臭、半循環かけ流し
料 金 500円 営業時間 要相談

 国道13号の西側、蔵王温泉と反対側にひっそりと佇む温泉街。昔はもっと小さい旅館がたくさん軒を並べていたのだが今では大規模の旅館が数軒あるだけの温泉街になってしまった。栄屋旅館という川に面した小さな旅館に日帰り入浴をお願いしたところ、そちらはもう廃業して今はあっちで息子達がやっていると紹介されたのがここ一陽館。確かに看板を見ると「栄の宿」となっていて、栄屋の名残がある。日帰り入浴も積極的に受けており、500円の料金で利用できる。

 入り口のすぐ左側に男女別の内湯がある。浴室はタイル造りのこぢんまりしたもので、葦簀で囲まれたプチ庭園のような景色を眺められるようなお風呂だ。浴槽は6人サイズでちょうど良い広さだ。奥にある御影石湯口から温めの源泉がそのまま注がれており、窓側の縁から奥の庭方向にある排水溝へ溢れていっている。浴槽内でも吸い込み口があり、少しだけ加温湯が循環湯口から浴槽内に注がれている。源泉投入量に対して溢れ出す量がほぼ同じ所をみると半循環かけ流しだろうと思われる。大量に循環するのではなく一部を循環させているので、湯口付近はかなりピュアな黒沢温泉を楽しむことができる。無色透明でやや温めのお湯は体に絡みつくような浴感があり、うっすらと芒硝系の温泉臭が香る。この香りはタオルに染みこんでくれるので個人的には大好きだ。湯に浸かりそして体を休めてまた湯に浸かる。そんなことを繰り返しているうちに外は夕立ちの雨が降り出していた。葦簀を伝って雨がプチ庭園にしたたり落ちてきている。薄暗い浴室に庭園の緑と水の音がまた映える。久しぶりに景色とお湯に癒されました。
 今までどうせ循環利用だろうからと敬遠しがちの黒沢温泉だったが、良い温泉があるではないか。ぜひ残りの旅館も近いうちに行ってみたいと心に強く思った。

H23/8/15


  
小さな庭園からの光が美しいタイル浴槽。奥に溢れています。    湯口から注がれるのは温めの源泉100%。    窓の方向に静かに溢れていく姿はまた美しい。