那須湯本温泉(Nasu Yumoto Spa


施設名 元湯 鹿の湯
場 所 栃木県那須町湯本
源泉名 鹿の湯,行人の湯混合源泉
泉 質 酸性-含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
温 度 68.4℃ pH 2.5 溶存成分総計 1,040mg/kg

(H2S 28.8mg, Ca 70.1mg, SO4 308mg)

お湯の様子 白濁,硫黄臭,酸味,41℃〜48℃,かけ流し
料 金 400円 営業時間 〜19:00

 那須湯本温泉にある有名な共同浴場。訪れた時間が夕方ということも手伝ってか駐車場は満杯。入口の休憩スペースも人がごわごわ。内湯の中にも延べ40人くらいの人たちが湯浴みしているという中で利用した。

 脱衣所には何やら「効果的な入り方」と書かれた説明書きが掲げてある。それによると最初は頭にかけ湯を100回かける。そして自分に合った温度の浴槽で半身浴1分,胸まで1分,肩まで1分…(以下省略)。と 何やらいろいろと書いてある。こういう但し書きは自分の湯治のスタイルが無い人にとってはとても助かる親切な配慮だ。内湯を眺めてみると確かに頭にタオルを提げ,お湯を被っている人たち,そして砂時計を見つめながら湯に浸かっている人たちの姿がある。自分としてはこのスタイルよりもここのお湯を味わってみたかったためそういう行程は 今回パスさせてもらった。
 浴槽は41℃,42℃,43℃,44℃,46℃,48℃と6つ正方形のものが並んでおり,それぞれに白濁した鹿の湯源泉がはられている。注がせる湯量によって温度調節をしており,どれも源泉を100%利用している。温い方ほど人がごった返しており,お湯自体の鮮度が良くないように見えた。今回は比較的空いていた44℃と46℃の浴槽を利用してみた。まずびっくりするのが,浴槽のまわり(かけ湯の場所には一応ある)に湯桶が無いことだ。みな汗をダラダラ流しているのに,それを洗い落とすためのかけ湯用の湯桶が近くに無いのだ。しょうがないのでタオルにお湯をかけてそこからしぼって体の汗を洗い落とし,それから湯に浸かってみた。44℃の浴槽に注がれる白濁したお湯はちょうど良い温度で,硫黄臭を感じながらゆったり湯浴みができそうな感じだ。1分ほど浸かった後,今度は46℃の浴槽の方に移動してみる。ここには常連さんらしき老人達がたくさん集っており,何やらよそ者の自分に対して熱い視線を注いでいるようだ。一通り44℃の浴槽で吹き出してきた汗を流し,いざ46℃の浴槽に浸かってみる。確かに熱いがそれほどでもない。浴感は熱さ以外はたいして差を感じなかった。1分ほど入ってまた浴槽の縁で汗を出し,48℃の浴槽に浮かぶかき混ぜ棒を見ていると常連さんの一人に「あなたは何もわかってないね。ちゃんと入り方読んだか?」と言われた。その時は笑顔で話を受け流したが,正直気分が悪いものだった。確かに効果的な入り方はある。しかし人の体にはそれぞれ違いがあり,湯に浸かるスタイルも人それぞれあるはずだ。自分はどちらかというと熱湯に1分程度浸かり,その後じっくり汗を流し,それを繰り返すスタイルなのだが…。
 本当はこの後,48℃浴槽にも入ってみようと思ったが常連さん達の目線がイヤだったので,46℃の浴槽を4回ほど味わってからそこを後にした。確かにお湯は良い。湯小屋の風情も抜群だ。しかしここは魅力に欠けてしまう何かを感じた1湯だった。

H19/8/15


  
人が多かったため,浴槽の縁のみショット。    左が48℃浴槽と湯もみ棒。右が46℃浴槽。湯口も見えます。   廊下にある鹿の頭。