田沢湖高原温泉(Lake Tazawa Pia Spa) 


施設名 ニュー岳水
場 所 秋田県仙北市生保内字駒ヶ岳
源泉名 田沢湖高原温泉(1号,2号,4号,黒湯下混合泉)
泉 質

単純硫黄泉(硫化水素型) (単純硫化水素泉)

温 度 49.7℃ pH 5.1 溶存成分総計 456.1mg/kg

 (H2S 6.7mg HS 0.1mg CO2 126mg)  

お湯の様子 無色透明,硫黄臭,熱め,白湯花,硫黄味,かけ流し
料 金 300円 営業時間 宿の状況次第(要相談)

平成22年現在、温泉を止め営業をストップしていました。


 田沢湖高原温泉の温泉街よりやや手前のカーブ沿いの崖上に立っている小さな旅館。県道の道路改良のため,より一層見つけづらい場所になった。最近この旅館自体が売りに出されており,営業するのもあとわずかといったところか。とりあえず現在も日帰り入浴や旅館業務は続けている。

 入口まで降りていくと本当にがけの上のスペースに宿を建てていることが分かる。受付で入浴料を支払い宿主の案内で奥へ進んだ。暗い廊下の一番奥に浴室入口があり,そこの扉を開けるとさらに浴室へ続く廊下を曲がる。一番奥が男湯でやや広め,手前が女湯で狭めだが,最近排気ダクトが落下したため男湯側を現在利用していないとのことだった。よって今は女湯を貸切利用しているのだという。男湯を見学させてもらった後,女湯を利用した。一人から二人が入れば一杯になる浴槽に熱々の源泉が勢いよく注がれており,底に白い湯花が沈んでいる。窓の外は新緑,浴室は黒い石タイル。ダークな感じの浴室全体に硫黄臭が漂っている。外からはウグイス,キビタキ,アオジなど,様々な野鳥の鳴き声が聞こえてくる。風情抜群です。しかし,お湯が熱い。計ってみると51℃。撹拌してこの温度である。さすがに今回ばかりは加水である。加水して47℃まで冷まし一気に浸かると,ビリビリした感じが肌にさし込んでくると共に心地よい香りが鼻の奥をついてくる。これは幸せです。自分が入ったために溢れたお湯で狭い洗い場は大洪水だ。熱いお湯にゆったり浸かり,そして窓の外の新緑から野鳥の鳴き声を聞く。実に優雅だ。3分もしないうちに湯温が1℃上昇した。確かに熱い源泉をどばどば注がせていては湯温も上がる。ここは加水が必須だということが分かった。
 帰りに宿主と話してみると,朝一番,夕方,さらには夜中まで野鳥の鳴き声が聞こえて来るという。これは野鳥ファンにはたまらない宿だ。もし買い手が付いたとしたら,周りの自然もひっくるめて大切にして欲しいと切に思う。

H19/7/7


  
手前の小さな浴室。女湯です。狭い湯船に熱い源泉が100%。   加水せずに入れませんでした。  こちらがダクト落下のため利用を止めている男湯。広め。