蓬莱温泉(Hourai Spa)
施設名 旅館 蓬莱荘 場 所 静岡県焼津市栄町3丁目 源泉名 蓬莱温泉 焼津7号 泉 質 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 温 度 40.0℃ pH 8.7 溶存成分総計 13,960mg/kg (Cl 7908mg, Na 2579mg, Ca 2231mg)
お湯の様子 無色透明,強塩味+苦味,硫黄臭+潮臭,足下自噴,温め,かけ流し 料 金 日帰り設定なし 営業時間 −
静岡県に仕事の用事があり宿泊で利用した旅館。本業は料理店で,焼津特産の海の幸料理で有名な旅館で,本来なら2食付きというプランで利用したかったのだが,夜遅くに到着し,翌朝早めに出発するため,今回は素泊まり5250円という設定で利用した。ちなみに素泊まりプランは平日のみで,土日祝日はこのプランは利用できない。
青森県から焼津まで新幹線を2本乗り継ぎ,さらに静岡から東海道線に乗り換えてやっとこさ夜の21時に焼津へ到着した。宿に入って一通り説明を聞き,松の部屋へ通された。浴室は夜の10時半までしか利用できないということを聞いたため,すぐに着替えをして浴室へ向かった。浴室は1階の厨房の横にある。この旅館の浴室はたった一つで,しかも源泉が浴槽の真下から湧いていて足下自噴の浴槽になっているのだという。ワクワクしながらのれんをくぐると,小さな脱衣所のすぐ横から潮が混じったような硫黄臭が香ってきた。湯気に曇ったその先に噂通りのお湯が待ちかまえていた。水色タイルの浴槽が一番奥にあり,浴槽の底の穴からブクブクとお湯が噴き出している。まるで間欠泉のように不規則にボコッボコッとお湯が噴き出しており,湯面がせわしなく揺れている。お湯は無色透明で,浴槽の底までクリアーに透き通って見える。湯温はやや温めの39度くらいで,口に含むとかなり塩辛くしかも苦い。塩化物強塩泉ともとれる無色透明なお湯が奇跡的にちょうど良い温度で自噴しているのだ。これは素晴らしい。お湯に浸かると,ふんわり包み込むような浴感があり,体がすべすべしてくる。吹き出してくる気泡からはガス臭も感知できる。塩化物泉は入り疲れるため,あまり長湯できないのは常識なのだがここは違っていた。浴室利用終了時間まで1時間半というタイムリミット限界まで楽々浸かり続けることができたのだ。こんな濃い食塩泉に浸かり続けているのに全然疲れがこない。これは本当にびっくりする魔法のお湯だ。……あっという間の1時間半が過ぎた。体が疲れるどころかもっともっと入りたいという衝動に駆られるから不思議だ。湯上がりにビールを1杯飲み,心地良い気分で就寝した。
翌朝,利用は6時半からと言われていたのだが,6時の時点で女将さんに入浴を了承してもらい,40分ほど湯浴みを楽しんだ。ちなみに朝気づいたことなのだが,このお湯,石鹸は全く泡立たない。シャワーの真湯を利用して体を洗ったほうが良い。もしも夜間も浸かり続けることが可能だったのなら,間違いなくこの浴室に4時間はいたと思う。それほど素晴らしいお湯だった。静岡に用事があるときは,多少目的地が遠くとも絶対にこの旅館を利用したいと思った。
H22/2/4宿泊
浴室の奥に鎮座する石組みのタイル浴槽。 ぼこぼこと吹き出し盛り上がる湯面。 水中写真を見るとガスと共に注がれるお湯の量がわかります。
石の間からかけ流されるお湯。美しいです。 壁に貼られた昔ながらの温泉分析表。 この日泊まった松の部屋。十分な設備。