寒河江温泉(Sagae Spa      


施設名 割烹旅館 福よし
場 所 山形県寒河江市本町一丁目
源泉名 寒河江温泉協同組合第2号源泉
泉 質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
温 度 50.2℃ pH 7.2 溶存成分総計 1,392mg/kg
(Na 433mg, Cl 582mg, HCO3 355mg, Fe(2) 0.5mg, Br 1.8mg, I 0.3mg)
お湯の様子 茶褐色透明,重曹味+うす塩味,硫黄臭+臭素臭+鉱物臭,かなり熱め,かけ流し
料 金 日帰り不可 営業時間

 寒河江駅前にある寒河江温泉を利用している旅館の一つで,料理とエントランスにある庭園が自慢の温泉旅館。日帰りは昼食つき半日滞在で5000円という設定で,入浴のみという設定は行っていない。1泊朝食付きだと7500円,2食付きだと1万500円からという話だ。今回は宿主の特別なご配慮でお湯を味わわせていただいた。

 駅前通りから川を渡りすぐある小路を折れ2軒目の場所にある。車2台分の駐車スペースがあり,その奥が板塀に囲われた日本庭園が出迎えてくれる。その庭園の敷石の上を歩いて玄関へ向かう。庭を挟んで正面にあるのがたった1つだけある浴室だ。浴室が1つだけなので利用する際は貸し切り利用となる。
 脱衣所から浴室へ入ると浴室内に漂っている臭素臭ベースの鉱物臭が香ってくる。本当にうっとりしてしまう香りだ。金気臭とも違うやさしい鉱物系の香りが暑い中じんわりべとついた体を癒してくれる。浴槽のほうに目をやると,小さめの3人サイズ浴槽から溢れているお湯が洪水のように十和田石を並べた床面を流れていくのが見える。本当にすごい湯量だ。お湯に体をなじませ,いざ浴槽に身を沈めてみた。やや熱めのお湯がじんわり体に染みこんでくるのがわかる。最初は熱めに感じるお湯だが,一度お湯に身を沈めて慣れてしまうとあまり熱く感じなくなってくる。湯面の目線から溢れるお湯を眺めると,浴室内で大洪水が起こっていた。贅沢極まりない極上のひとときだ。湯口から注がせるお湯は結構多めで,茶褐色透明のお湯からはうっすら硫黄臭のような香りも感じられる。口に含むとうす塩味にうっすら重曹のようなペタペタした味が混じった複雑な味を感じる。食塩泉とも重曹泉ともとれないこのお湯は,何度でも何度でも浸かりたくなる不思議なお湯だ。湯から上がって床に座り込むと,先ほどあふれ出したお湯がまだ少しだけ床面に残っている。その上でぼんやりと湯面を眺めていると,2分も経たないうちにまた浴槽の縁からオーバーフローが始まった。湯上がりは体からどんどん汗が噴き出してきた。脱衣所にある扇風機で体を冷まし汗がひいてしまうと,不思議に体がサラサラになる。食塩泉の良さと重曹泉の良さが同時に出る名湯なのだろう。
 宿主の話だと湯量を全開にすると毎分30㍑の源泉を投入することができるのだそうで,夏のシーズンは熱すぎるためにあえて絞り込んでいるということだった。湯量が増える秋口や冬の時期に宿泊で利用し,この浴室でじっくり過ごしてみたいと本気で考えてしまった。

H20/8/15

  
小さめサイズの浴槽が1つ。そこに新鮮なお湯がドバドバ注がれかけ流し。湯口では硫黄臭もあります。    床がたふたふになるくらいかけ流している様子です。


 仲間との忘年会で宿泊利用しました。今回は遅く集まる仲間を配慮して1泊朝食付き7500円というプランで利用しました。夏に利用した際「毎分30㍑」という言葉を聞いて以来ずっとあこがれてやまなかったこの旅館にいよいよ宿泊です。雪のために遅れて到着したのですが,すでに2階の部屋には布団などが全て用意してあり,宿の方々が遅れてしまった我々の到着を快く迎えてくださいました。

 さっそく仲間と浴室のお湯を満喫しに行った。毎分30㍑とまでは行かないまでも,夏に訪れた際は垂直に落ちていた湯口のお湯の量(上の真ん中写真参照)は倍以上に増え,きれいなアーチを描いて(右写真参照)浴槽内に注がれていた。扉を開けた瞬間,臭素臭と土類臭,そしてうっすら金気臭を混ぜたような独特な香りが脱衣所に広がってくる。一緒に行った友人はこの香りにまずノックアウトさせられてしまった。うっすら茶色を呈したお湯はやや熱めのセッティングになっており,口に含むと塩味のほうよりも炭酸味の方が強めに感じられた。浴槽の中に体を沈めると大量のお湯が溢れ出し,床面を満たしていく。最初から大洪水だった浴室がさらに大災害をもたらしたかのようにお湯浸しになってしまった。しばらくその様子をお湯に浸かりながらぼんやり眺めて過ごしていた。浴槽から溢れ出したお湯は,3つある排水口から排出するのが追いつかないくらいの量が溢れ出すために床面をずっと満たし続けている。贅沢すぎるひとときだ。床の石がゴツゴツしているためにトドになるにはちょっと背中が痛いので,脱衣所に備え付けてあるサービスタオルを床に敷いてトドになった。浴室の洗い場全体がお湯で満たされているため,全てのスペースがトドスペースなのだ。
 宴会前と宴会後,そして早朝と合計3回このお湯に浸かり満喫した。朝食後に宿主から「源泉30㍑全開にしますか?」と聞かれ,迷わず「お願いします」と答えた温泉バカ3人(自分たち)は,勇んで4回目の湯浴みへ向かった。湯量はそんなに増えていないのだが,自然に冷ますための源泉をループさせている部分をカットし,ストレートで注がれる湯口からのお湯が50℃近くまで温度が上がり,浴槽内の湯温がじわじわ上がっていった。今まで体全体を包み込むような優しいお湯だったものが今までと違ったピリピリ感のあるお湯に変わり,これまた楽しい湯浴みとなった。
 いつか泊まりたい!と思っていた旅館に実際泊まってみると,日帰りでは感じることができなかった宿の人の温かさや,温泉の持つ本来のパワーというものを味わうことができる。やはり,これから先もいろいろな宿にお世話になり,お湯のすばらしさに出会っていきたい。

H20/12/30祝泊

  
こちらが利用した部屋。家庭的な良い雰囲気の部屋でした。   夜の浴室。たふたふに溢れたお湯で満たされる床。     源泉投入量は夏の倍以上。

  
タオルを2枚敷いて特製トドスペースのできあがり。   それにしてもすごい溢れ出し。排水が追いつきません。  朝食もおいしくいただきました。ナーニーが美味でした。


 まさかまさかの2年連続年末宿泊です。友人がせっかくだから美味しいご飯を食べたいと要望を出したため,今回は念願の割烹旅館で2食付きです。今回もラッキーなことに自分たち以外の宿泊客がいないため,貸切で利用できました。
 さっそく夕食の時間になりました。夕食の準備された個室に行くとすでに何品かの食べ物が並んでいます。食事を開始してからまず,出来たて熱々の茶碗蒸しが出てきました。

  
茶碗蒸しが登場した時点で一度撮影しました。    こちらが焼き物のブリ。これは美味でした。     天ぷらも揚げたて。この後蕎麦も出ました。

 気がつくと,焼き物,天ぷらとどんどん品数が増え,どれも美味しく頂くことができました。ご飯を食べずにおかずでこんなに腹一杯になったのは本当に久しぶりでした。いつも素泊まりや朝食付きでしか泊まらない自分にとって,とても新鮮で,そして楽しいひとときでした。
 夜は相変わらずの源泉をどんどん注がせてもらい,熱めのセッティングでお湯を味わいました。

  
更けゆく夜の福よしのエントランス。美しいです。     こちらが朝食。納豆,鮭,梅干し,海苔と満足いく品数です。   すばらしいお湯は健在でした。

 今年の冬は雪が少なめで,なんだか拍子抜けするような忘年会でしたが,それを忘れさせるような良きお湯と良き料理を味わうことができたので十分満足いくものでした。果たして来年はどこへ泊まる事やら…。

H21/12/27 2度目の宿泊


 年末といえば福よし。近くを通る予定だったので今回はいろいろお世話になっていた旅館にお届け物するためにおじゃましました。ついでにせっかくだから入っていったらと勧められ、ついでに入浴させていただきました。
 今回のお湯は適温で、ゆったり長湯できそうな感じでした。しかも何とアワアワなんです。何度か寒河江温泉は味わっているのですが、こんなに泡が着く寒河江温泉は初めてでした。毎日姿を変えるんですよ!とは館主の言葉です。確かにいつ来ても新たな浴感が加わってくるから不思議です。また泊まりたくなってきました。

H25/12/30


  
この日は温めのセッティングでちょうど良い温度でした。    アワアワのお湯は初めてです。投入する方法も変わっていないのに…   相変わらず廃湯がおいつかない洗い場。