男鹿温泉(Oga Spa) 


施設名 湯本ホテル
場 所 秋田県男鹿市北浦湯本
源泉名 湯本源泉
泉 質 ナトリウムー塩化物泉(弱食塩泉)
温 度 51.0℃ pH 7.2 溶存成分総計 6,820mg/kg
(Na 1704mg, Ca 299mg, Mg 100mg, Cl 2976mg, HCO3 1008mg, CO2 85mg)
お湯の様子 うす黄土色透明,塩味,石膏+土類臭,適温,かけ流し
料 金 500円 営業時間 15:00〜 (その日の宿泊客次第)

 秋田県男鹿市にある老舗の温泉旅館。男鹿温泉街よりも山側にあり、ホテルという名前が付いているが昔ながらの温泉旅館といった佇まい。大規模な鉄筋コンクリートのホテルよりも断然こちらのほうが個人的には好みである。今回は夏休みの帰省途中にどこか観光しようということになり、急遽前の日に宿泊予約を入れ1泊2食付き8500円という設定で利用させてもらった。湯本ホテルには以前から興味があったのでとてもうれしい旅路となった。

 夕方19時過ぎに宿にやっと到着し、すぐに食事となった。夕食は海の幸がいっぱい並ぶお膳が出され、美味しく頂きました。さて、食後は肝心のお湯とのご対面です。この湯本ホテルには男女別の内湯と、家族湯を改良して作った貸切露天風呂があり、湯本源泉という敷地内で2mほど掘っただけで自噴している自家源泉を惜しみなく注がせている。余ったお湯は玄関先に垂れ流しになっている (左写真)から圧巻だ。内湯は母屋の奥にあり、男女別の広めの浴室が1つずつ対照的に並んでいる。広々とした浴室の床はコンクリート造りで、なめらかな床をピタピタ歩いていった奥にコンクリート造りの浴槽が1つある。男女の仕切りになっている壁にはタイルアートの金魚 (本当は鯛)が3匹涼しげに泳いでいる。一度に20人ほど浸かれそうな広さのコンクリート浴槽の奥から少しずつお湯を注がせかけ流されている。この旅館、加水することを絶対にしたくないというこだわりがあり、源泉を注がせる量、浴槽を清掃したあとに4時間かけてお湯をじっくり冷ましていること等、しっかりとお湯を管理しているのだそうだ。実際にお湯に浸かってみると…、わかりました。とろみがあります。お湯が濃いんです。真夏の食塩泉なので撃沈覚悟の湯浴みなのですが、湯温はジャスト41℃で適温。体に絡みつくようなとろみがあり、やわらかめの浴感だ。湯口でお湯を口に含んでみるとしっかり塩味があり、成分の濃さを主張しているかのようだ。湯口周辺ではやや土類臭が混じるが、湯面からは石膏臭が香ってくる。お湯遣いが実にすばらしい。火照った体を今度はコンクリートの洗い場に横たえてひんやりした床の上で汗を流す。これまた気持ちがよい。体を横たえながらぼんやりと浴室全体を眺めて時間を過ごしていた。よく見ると浴槽の周りが溝のようになっており、川渡共同浴場のように浴槽の横を廃湯が流れて行き(右写真参照)洗い場にお湯が溢れていかないような親切設計になっている。だから床がひんやりしていてトドになると気持ちが良いのだ。お湯に浸かってはトドのように床に横たわり…、これを親子で繰り返して1時間近く過ごさせてもらった。
 湯上がり後、汗がどんどん吹き出して大変だったところはやはり食塩泉だなと感じましたが…。おかげで夜はぐっすり過ごし、朝一番にまたとろみのあるお湯を味わいに行ってみました。 夜風のせいで若干ぬるめのセッティングもまた良いです。今度は一日の始まりですから、昨夜のように浸かりすぎてノックアウトしないようにセーブしながらの湯浴みです。浴後の朝飯もおいしくいただきました。

 まだまだ未開の地である男鹿半島。もっともっと他の旅館のお湯も味わってみたいと思いました。

 ちなみに貸切露天は事前に予約が必要で今回は利用できませんでした。次回はぜひ事前に貸切風呂利用の予約を入れ、ゆっくり浸かってみたいと思いました。ぜひ(アブのいない)冬にまた訪れてみたいものです!

H22/8/9 宿泊


  
広い浴室にコンクリート造りのシンプルな浴槽。  湯口から少しずつ注がせ、加水無し源泉100%を実現。   壁の金魚アートも素敵。

  
今回利用した「あやめ」の部屋。10畳で十分の広さ。  カニ付きの豪華な夕食。食べきれませんでした。  朝食もおいしくいただきました。