鳴子温泉(Naruko Spa


施設名 姥の湯旅館
場 所 宮城県大崎市鳴子温泉大口字新屋敷
<義経風呂:男女別&貸切:芒硝泉>
源泉名 芒硝泉
泉 質 ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素泉
温 度 56.2℃ pH 7.7 溶存成分総計 1,354mg/kg
(Na 207mg, SO4 289mg, HCO3 348mg)
お湯の様子 無色透明,温泉臭,黒湯花,適温,かけ流し
<亀若の湯:男女別:単純泉>
源泉名 姥の湯(芒硝泉)
泉 質 ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(含食塩-重曹泉)
温 度 56.4℃ pH 7.2 溶存成分総計 1,184mg/kg

お湯の様子 無色透明,微鉄臭,やや熱め,かけ流し
<こけし湯:男女別:硫黄泉>
源泉名 姥の湯(硫黄泉)
泉 質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(硫化水素型)
温 度 65.4℃ pH 7.4 溶存成分総計 1,859mg/kg
(Na 268mg, HCO3 673mg, HS 15.3mg)
お湯の様子 白濁,タマゴ味,硫化水素臭,適温,かけ流し
<啼子の湯:露天風呂:重曹泉>
源泉名 旧姥の湯
泉 質 ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
温 度 56.0℃ pH 7.5 溶存成分総計 1,510mg/kg
(Na 195mg, HCO3 348mg)
お湯の様子 無色透明,温泉臭,床赤茶色,適温,かけ流し
料 金 500円 営業時間 要相談

 鳴子温泉駅の裏手崖下にある老舗旅館。 自家源泉を4本持ち、日帰り入浴も積極的に受け入れてくれるナイスな旅館。今までいつも素通りしていたが、今回は芒硝泉という名前に惹かれて初挑戦してみた。全部で5箇所ほど入浴が可能なのだがそのうち4ヶ所に入浴した。記事では入った順番にレポートしていく。

<義経風呂:男女別&貸切:芒硝泉>
 入り口から入って奥の左側に進んだ場所にあるのが義経風呂とよばれる芒硝泉浴室だ。すぐ横に貸切風呂という看板があり、ちょうど従業員の方がそこから出てきて「入れますよ」と笑顔で声を掛けてくれたので吸い込まれるように貸切風呂へ…。狭い脱衣所は2畳半程度の広さ、そこの奥にわずか2畳分程度のスペースの浴室がある。浴室と脱衣所を足して4畳半といった広さか?浴室の半分が浴槽で半分が洗い場になっている。窓から小さな小庭が見えるようになっているが窮屈感は否めない。軽くお湯をかけ湯してみてびっくりしたのが湯花だ。ここの湯花は黒いんです。消しゴムのカス状になった黒い湯花がまるでヒジキのようにふわふわ漂っているのです。これはびっくりしました。お湯は無色透明でピリッと熱めのセッティングだ。お湯に体を沈めると溢れたお湯が洗い場に大洪水になっていく様子が目に入る。廃湯口が渦を巻いているのが見える。ふぅと一息つくと、体にピリピリと刺激が差し込んでくるのがよくわかる。いいなあ、このお湯…。足を伸ばしてのんびり浸かるには狭すぎるので、続いて隣の芒硝泉浴室へ移動した。
 

  
芒硝泉浴室「貸切風呂」一人サイズの狭さで、一人はいると大洪水です。排水溝も渦を巻いています。   湯花が黒いです。ここまで黒いのは驚きです。

 一旦着衣して浴室の外に出て、男女別の芒硝泉浴室に入ってみた。先ほど貸切での狭さを体験しているので脱衣所も浴室もとても広く見える。使われているお湯は同じらしいが、ここの浴室の方が浴感が高く感じられた。タイル作りの浴槽は一度に4人が足を伸ばして使えるサイズになっていて、黒い湯花が舞うお湯が注がれ、しっかりかけ流されている。窓から差し込む光が湯面に反射して美しく輝いて見える。体を沈めてみると、いやぁ…ここは最高です。気が付いたら5分ぐらい沈黙してお湯を楽しんでいました。まだまだ浴室があるのに、ここにばかりは居られない…と、とりあえずこの浴室を後にした。

  
芒硝泉浴室。明かりが湯面に反射して幻想的です。   やや熱めのお湯が注がれかけ流されています。    あふれ出しが美しいです。

<亀若の湯:男女別:単純泉>
 3つ並んだ浴室のうち、右側に位置しているのがこの亀若の湯だ。こちらも男女別になっていて、張られているお湯には単純泉と書かれている。この浴室も一人で独占浴させてもらった。
扇形に形どられたタイル浴槽に、岩を伝って無色透明のお湯が注がれている。浴槽に注がれたお湯はうっすら濁りを呈しているように見えた。お湯の温度はやや熱めのセッティングで、単純泉というわりには成分が濃そうな感じがするお湯だ。床や湯口底は赤茶色になっており、成分の中に鉄系のものが含まれているような感じがする。先ほどの芒硝泉とは全然違い、キシキシするような感じのお湯で浴後が若干ペッタリするような感じだ。ここはここで良いが、やはり個人的には芒硝泉浴室のほうが好きである。

  
もやの向こうに見える扇形の浴槽。浴槽の縁が赤茶けているのがわかります。    湯口付近も赤茶けています。    あふれ出しが美しく見えます。


<こけし湯:男女別:硫黄泉>
  続いて入ったのが真ん中にある硫黄泉浴室だ。こちらは木造の浴槽になっており、石湯口の穴から静かに源泉が注がれている。うっすら硫黄臭(自己主張をグイグイしてこない上品な硫黄臭)が香る白濁したお湯が張られており、湯温も適温になっている。ここの浴室も独占浴だ。何という贅沢なのでしょう、適温+硫黄臭+独泉。これ以上の好条件はありません。当然のことながらゆったりしてしまいました。芒硝泉=ビリッとサッパリと。単純泉=可もなく不可もなく。硫黄泉=優しくまったりと。一言で表すとこんな感じでしょうか。硫黄泉でまったりし、芒硝泉でビリッと体を引き締める。これを繰り返すと無限ループに陥りそうな感じがしてきます。ここの浴室もお湯も気に入りました。

  
木で作られた浴槽が美しい。白濁しているお湯も美しい。   この石湯口から静かにお湯が注がれています。うっとりするような上品な硫黄臭です。  湯面から見た洗い場です。

<啼子の湯:露天風呂:重曹泉>
  最後に右側に露天風呂入り口があり、重曹泉が張られた浴槽があった。硫黄泉と芒硝泉で満足しまったりしてしまったため、今回はこの浴槽をパスした。次回姥の湯を利用する際は宿泊で利用しようと思っているので、そのときの楽しみに取っておこうという目論見なのだが…。果たしていつのことになるのやら。ということで今回は写真のみのレポートとなる。

  
初めて写真撮影できたアウェーの中浴場   源泉は赤湯共同源泉ですが、露天風呂が一番美しいです。    湯口からもふんわりアブラ臭が香ります。

 今までなぜか通り過ぎていた姥の湯ですが、やっと行くことができました。鳴子温泉の老舗旅館はやはり味わいが深いですね。次回じっくり味わ えるように宿泊で利用してみたいと思います。

H27/1/9