東鳴子温泉(Naruko Gotenyu Spa


施設名 いさぜん旅館
場 所 宮城県大崎市鳴子温泉大口字赤湯
<第1浴室:炭酸泉>
源泉名 いさぜんの湯1号,2号混合泉
泉 質 ナトリウム-炭酸水素泉(純重曹泉)
温 度 44.1℃ pH 6.8 溶存成分総計 1,042mg/kg
(Na 206mg, HCO3 532mg)
お湯の様子 濃黄色透明,金気臭,微炭酸味,ぬるめ,かけ流し
<第2浴室:鉄鉱泉>
源泉名 いさぜんの湯3号,赤湯地区共同源泉混合泉
泉 質 ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(含食塩-重曹泉)
温 度 57.2℃ pH 7.2 溶存成分総計 1,733mg/kg

お湯の様子 薄黄色透明,微鉄味,硫黄臭+アブラ臭,ぬるめ,かけ流し
<第3浴室:大浴場>,<中浴場と露天風呂>,<家族風呂>
源泉名 新井第2号源泉,動力揚湯源泉,新井第5号源泉,唐竹沢源泉,混合泉(別名赤湯源泉)
泉 質 ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉(含食塩・芒硝-重曹泉)
温 度 74.6℃ pH 8.0 溶存成分総計 1,852mg/kg
お湯の様子 無色透明,無味,弱アブラ臭,適温,かけ流し
料 金 500円 営業時間 要相談

 東鳴子温泉 鳴子御殿湯駅のすぐそばにある老舗旅館。旅館のすぐ裏をJR陸羽東線が走る。所有する自家源泉が2本,それに赤湯共同源泉を加えて,合計6つのバラエティに富んだ浴室を持つ。
 熱烈な阪神ファンの宿主がいることでも有名で,のれん,ポスター,カレンダー,洗面器,風呂イス,バスマットなどありとあらゆる場所がタイガースカラーでうまっている。個人的に阪神ファンなのでこれは非常にうれしい。
 いさぜん旅館のお湯は混浴があったり,時間によって入れ替えがあったりとちょっと複雑なので浴室毎に一つずつ整理していく。

<第1浴室:炭酸泉>

  入口から入って正面へ進むと第1浴室,第2浴室共通の入口がある。左側から調理場の前を通り,大浴場から入ってももう一つ入口があり同じ場所にたどり着く。ここの脱衣所は第2浴室と共通で,それぞれの浴室へ向かう入口は別だが中は一緒になっている。左側が炭酸泉,右側が鉄鉱泉である。
 炭酸泉は,四角い浴槽 でとなりの鉄鉱泉と2m近いついたての壁で仕切られて背中合わせになっている。お湯はパイプが浴槽内に折れ曲がっていて,浴槽内に静かに注がせている。お湯からはほんのり金気臭と硫黄臭が感じられ,色は濃い黄色透明を呈している。あえていうならリゲインの様な色か。温めのお湯で,こちらはとてもゆったり浸かることが出来る。脱衣所の案内には,こちらをメインにして,第2浴室の鉄鉱泉をあがり湯にすると良いと書いてあるが,個人的にはこちらを上がり湯にしたいと感じた。 ぽかぽかとよく温まるお湯。

<第2浴室:鉄鉱泉>
  第1浴室と繋がっている第2浴室は,あえて別枠で分ける必要が無いような気がするが,表記通りと考えると別物であるととらえ,こちらに明記することにした。こちらは左側の浴槽で,ひょうたんを半分にしたような形をしている。お湯はいさぜんの湯3号源泉をパイプから,共同源泉をひたひたと湯面から注がせており,投入比率で言うと1:9といった量。 つまり,本来のいさぜんの湯3号源泉は,9倍近くに薄められていると考えると良い。この源泉を桶に汲んで(下写真参照)香りを嗅いでみるとびっくりした。強烈な硫黄臭とアブラ臭を感知できるのだ。しかも湯温は39℃程度。このお湯がたくさん注がれた浴槽があったとするなら・・・。と考えると堪りません。湯温と湧出量の関係からどうしても共同源泉のほうを多く投入しなければいけないのだろう。それにしても惜しい。小さくても良いのでこの3号源泉のみの浴槽がいつの日かできてほしい。この浴槽が一番のお気に入りです。

<第3浴室:大浴場>

  鉄鉱泉と炭酸泉が一緒になった浴室のすぐ横にある大浴場。ここは赤湯共同源泉がはられている。広めの浴槽に洗い場も広め。奥の窓から明るい日差しがさし込み,共同源泉を十分に堪能できる。湯口は浴槽内にあり,横にある源泉升で一旦冷ましてから注がせている。壁を見上げると隣の第1,2浴室と繋がっており,以前はこの浴室が混浴の大浴場だったという名残を伺える。上の2つの浴室と併せてこの3つがいさぜん旅館の昔からある浴室である。

<第4浴室:家族風呂>

 ここは高友の家族風呂同様,初めての人はきっとたどり着くことはできない。あえて道順は示さないが,一度2階に上がってからもう一度1階に下ることでたどり着ける。阪神タイガースの六甲おろしが綴られたのれんをくぐると小さな脱衣所がある。扉をあけてびっくりするのが浴室の狭さ。およそ2畳程度の広さ。浴槽もジャスト1人サイズ。そして赤湯共同源泉の持つ香りをぷんぷんとため込んでいるのである。よって,赤湯源泉のピュアなアブラ臭が満喫できるのだ。浴槽のタイルの色から赤っぽく見えるがお湯自体は薄黄色のお湯。狭い浴槽ほどお湯の鮮度が良いという法則通りここはとてもピュアなお湯だ。今回はあえて手浴のみとし,この浴槽には浸からなかったがここはぜひ宿泊して満喫したい。

 今までなぜか通り過ぎていたいさぜん旅館でしたが,すばらしい温泉旅館でした。この浴室以外にも中浴場(露天風呂)があり,そちらは女性専用時間だったため,次回じっくり味わってレポしたいと思います。
 いさぜん旅館は立ち寄りだけで味わうのはもったいないと思います。ぜひ宿泊して満喫して欲しいです。

H19/3/25


 友人との忘年会でいさぜん旅館に宿泊しました。今回は1泊朝食付きの湯治部宿泊です。
 エアコンがしっかり効いた部屋で快適に過ごし,お湯は混浴浴室内左側の炭酸泉をメインにどっぷりと浸かることができました。宿泊で利用すると不思議なもので,時間があっという間に過ぎていきます。お湯に浸かったり,友人と語り合ったりしながら結局就寝したのが午前3時でした。
 朝一番で浸かる大浴場もキリッとからだが引き締まって良かったです。宿泊することでやはりその旅館の良さがさらに深まっていきます。前回も書きましたが,ぜひ宿泊で利用してみてほしいです。

H21/12/26


  
こちらが炭酸泉。四角い浴槽に静かにかけ流し。   湯口から注がれるお湯。微アブラ臭がします。  ホントに美しい黄色透明です。エネルギーを感じます。

  
こちらが壁を挟んだ反対側の鉄鉱泉。   湯口が2ヶ所あり,パイプの方が鉄鉱泉。  思わず鉄鉱泉のみを汲んでみました。ものすごい硫黄アブラ臭です。 

   
これが噂の家族風呂。たまらない狭さです。      湯口から静かに注がれかけ流し。    そして定番の阪神タイガースお風呂グッズ。

  
初めて写真撮影できたアウェーの中浴場   源泉は赤湯共同源泉ですが、露天風呂が一番美しいです。    湯口からもふんわりアブラ臭が香ります。