濁川温泉(Nigorikawa Spa


施設名 温泉旅館 新栄館
場 所 北海道茅部郡森町字濁川
源泉名
泉 質 食塩泉
温 度 56.0℃ pH 溶存成分総計 5,170mg/kg ※昭和拾年分析
お湯の様子 薄黄色透明、土類味+石膏味、微アブラ臭+土類臭、熱め、かけ流し
料 金 400円 営業時間 7:00〜21:00

 森町 濁川温泉にある「温泉ファンにとって有名な温泉旅館」。今回はゴールデンウィーク中にもかかわらず通常設定料金(1泊2食8000円)で宿泊できた。昔ながらの建物(明治館、大正館)と新館からなっており、男湯は明治館に、女湯は新館にある。宿泊は現在新館のみで行われており、明治館と大正館は使われていない。

 宿について早々近所の旅館の湯めぐりに出かけたため、新栄館のお湯はその日の深夜と次の日の朝に味わった。深夜浴室へ向かうと、ミシミシ言う木の階段を下った先に浴室があった。脱衣所は以前まで混浴だった名残から、仕切り板が設置してある。カラカラと音を立てる横引きの扉を開くとそこには3つのコンクリート浴槽が横たわっていた。一番手前にある正方形の浴槽は温度も適温で42度。右奥がやや熱め。さらに奥がぬるめの40度だった。どの浴槽にも源泉湯だまりからコンクリートの樋を通って浴槽まで注がれており、その樋を布でふさぐことによって注がせる湯量を調整知る仕組みになっている。土臭い微アブラ臭が香るお湯はやわらかめで、肌にしっとりと絡みついてくるような感じがする。浴室内にある蛍光灯が照らす浴室はまさしく田舎の湯治場といった雰囲気を醸し出している。しばらく浴槽でボーっと過ごしていた。
 次の日の早朝、再び浴室へ向かった。明るい浴室は夜の浴室とは趣を変えていた。浴槽の縁を通るコンクリートの樋のふさぎ方を見ると、一番奥が熱め、右奥がぬるめ。そしてメイン浴槽がやや熱めという設定になっていた。深夜訪れたときは浴客が操作をして湯温が変わってしまっていたのだ。
 気を取り直し、メイン浴槽に浸かってみる。お湯の色は黄褐色透明で、うっすら濁りを呈している。夜にはあまり感じられなかった土類臭がはっきりと香ってくるのがうれしい。朝の光に包まれた浴室は入浴時の気分まで明るくしてくれる。湯だまりの横にある井戸水が出っぱなしになっているバケツから溢れる音が響く浴室内で、物音一つ立てずに注がれかけ流されていく源泉。昔ながらの造りの鄙びた湯小屋に香り豊かな源泉。すばらしいです。早朝とチェックアウト前と2回ほどこのお湯を味わいにきてしまいました。チェックアウトして帰るのがもったいないような、そんな素敵なお湯でした。入れば入るほどこのお湯の虜になっていくようです。
 日帰りではこのお湯の本当の良さは味わえないような気がします。宿泊してじっくり何度も何度もこのお湯に浸かりにくることでこのお湯の良さが出てくるように思えます。料理も最高級なのでぜひここは宿泊で利用してほしい旅館です。

H20/5/4宿泊


  
浴室へのアプローチ。この階段がミシミシ言うんです。  3つ並んだ浴槽がお見事です。どれも源泉100%でかけ流してます。   メイン浴槽はこの日44℃。適温です。

  
メイン浴槽に注がせる源泉は流路を通って注がせる。かなり熱めの源泉です。    こちら左奥の温湯浴槽。この日は41℃でした。    流路を布でせき止めて温度調節。

  
こちらが右奥の熱湯浴槽。この日は49℃で入浴不能。  夜に入ったときは入れましたがやはり朝一は・・・。   浴室から出て旧館廊下の様子。やはり傾いています?

 
こちら夕食。いかめしを中心に毛ガニが1パイつきます。十分満足のいく素晴らしい料理でした。     朝食もシンプルでおいしくいただきました。