濁川温泉(Nigorikawa Spa


施設名 温泉旅館 五色の湯
場 所 北海道茅部郡森町字濁川
源泉名 濁川温泉(五色の湯)
泉 質 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉(硫化水素型)
温 度 pH 溶存成分総計
お湯の様子 薄白濁うっすら茶緑、炭酸味+ 土類味、薬臭+アブラ臭、熱め、かけ流し
料 金 300円 営業時間 7:00〜21:00

 濁川温泉の中央、濁川小学校前十文字からさらに奥(ふれあいの里方向)に数十メートル進んだ右手に民家のようにたたずむ旅館。以前は普通の形態で営業していたのだが、おばあちゃんが一人で切り盛りするようになってから手間がかかることができなくなり、今では一日5人限定で素泊まりのみを受け付けている。しかも源泉ポンプの調子が不安定なため不定期で営業を休止することが多い。おばあちゃん不在の時や、宿泊客がいてお湯に浸かる時間帯は貸し切り浴室のため入浴を断っている。つまりかなり敷居が高い。4日の夜に営業していることを確認し、次の日の朝の浴室を利用しない時間帯ということで朝7時に訪れて日帰り入浴させてもらった。

 入り口から入って奥に進むと貸し切り浴室がある。浴室に近づくにつれ、はっきりとした薬系のアブラ臭が香ってくる。このにおいは宮城県東鳴子温泉の田中温泉や高友旅館でかいだことがあるにおいだ。本来は男女別の脱衣所があったのだが、片方を物置として使っているため、今は片方のみの脱衣所を使っているらしい。ちなみに脱衣所から浴室に入るドアは、おもりぶくろを使ったノンエネルギー自動ドアだ。浴室の扉を開けるとブワッとアブラ臭が広がってきた。す・ば・ら・し・い。思わずその場にへたり込んでしまいそうなくらい感動してしまった。(実際にへたりこみました。)
 浴槽が2つあり、片方は広めの半円形。もう一つは畳1畳分の小さな長方形浴槽だ。湯口のパイプをたどってみるとどちらも同じパイプから注がせており、2つの浴槽は同じ源泉のようだ。小さい方の浴槽は源泉のすぐ横から間欠泉のようにボコッボコッと注がれておりかなり熱めだ。半円形の浴槽はパイプを壁に沿って長い距離をはわせて注がせている分だけ湯温が低く、やや熱めの設定になっている。どちらも加温無し加水無し源泉100%の状態だ。写真を見てもらってわかるように長方形の浴槽は新鮮きわまりないため薄白濁でやや緑がかったお湯が注がれており、半円形の浴槽のほうはうっすら茶濁している。同じ源泉とは思えないくらいちがった色をしているのだ。薬系アブラ臭がぷんぷん香っているのは四角い方の浴槽で、半円形の浴槽の方はうっすらアブラ臭に土類臭がまざった感じだ。香りと色だけでもう参ってしまった。
 まずは半円形の浴槽に身を沈めてみた。お湯に浸かってみるとこれがまた気持ちよい。見た目は炭酸鉄泉のように見えるのだが、浴感は重曹泉そのもので、肌にしっとりと絡みついてくるような感じがする。泡付きもあり体をなでると湯面にシュワーと泡が上がってくる。湯面の土類臭とアブラ臭もさながら、この泡にもKOされてしまった。口に含むと土類系の重曹味が感じられた。次は四角い浴槽だ。しかし熱い。計ってみると湯温が50℃あった。湯もみをしても温度は49℃までしか下がらない。しかも常に狭い浴槽にフレッシュな源泉が注がれるため、せっかく湯もみをして温度を下げてもあっという間に温度がもとに戻ってしまうのだ。あきらめて気合いで突入することにした。意を決して体を飛び込ませたが、結果は10秒も入っていられなかった。熱すぎです。浴室内にあるホースで加水することも可能だったが、せっかくのこの香りを消してはならないと思い、かけ湯と香りだけをしばし楽しむことにした。四角い浴槽のすぐ横にトドとなり、香りをかぎながら汗を出す。これまた幸せな一時となった。

 この宿は日帰りで利用するには本当にもったいない。この日宿泊していた別の宿の朝食時間の都合上1時間に満たない時間でこの旅館を後にしたのだが、時間さえあればもう1時間ぐらいゆっくり浸かっていたいような後悔の念にかられた。ここに宿泊し、心おきなくこのお湯に浸かり続けてみたいと本気で思った。
 

H20/5/5


  
浴室に入ると半円形の浴槽と奥に四角い浴槽が見える。   こちら44度位ある高温浴槽。アブラ臭はおとなしめ。   このパイプからお湯が注がれる。

  
こちらの源泉が超ピュア。薬系アブラ臭がぷんぷん香ってくる。  しかし激熱湯です。入るには湯もみと根気が必要。     時々見かけるおもり式自動ドア。