湯岐温泉(Yujimata Spa


施設名 和泉屋旅館
場 所 福島県塙町湯岐字湯岐
源泉名 湯岐温泉(和泉屋旅館)
泉 質 単純温泉
温 度 37.2℃ pH 9.6 溶存成分総計 175.5mg/kg
(Na 41.5mg, CO3 33.1mg, HCO3 24.5mg)
お湯の様子 無色透明,無味,弱芒硝臭,温め,足下自噴,かけ流し
料 金 500円
 3時間以上は800円
営業時間 10:00〜16:00

 湯岐温泉の登り口から上がって1つめのヘアピンカーブに位置する旅館で,湯岐温泉発祥の地でもある。今もなお湯守旅館としての役目を果たしているのだという。足下自噴の混浴浴室「鹿の湯」と男女別の大浴場「八幡の湯」がある。

 鹿の湯を最初に利用させてもらった。脱衣所は男女別だが中は混浴で,正方形のタイル浴槽が2つ少しだけずれた位置に並んでいる。どちらにも湯口はなく,床にあるステンレスの蓋の下からお湯が自噴している。旅館を建て直す際に岩の亀裂湯口よりも70cm程上に浴槽を作ったため,そのようになったのだという。青色タイルの底から無色透明で温めのお湯がじわじわしみ出している。湯面に鼻を近づけるとほんのり甘い香りがしてくる。この日はたくさんの湯治客で賑わっており,片方の浴槽には7人ものご老人が男女入り交じって湯治をしていた。湯治の話にも花が咲いている。共同浴場の岩風呂もそうなのだが,混浴があまり気にならないというのが湯岐の印象だ。ステンレスの蓋をよく見ていると,時々小さなアブク玉がコロロンと上がってくるのが見える。おぉ,やはりここも足下自噴だ!と感動を覚えてしまう。数年前に改装したらしいが,改装前の浴室もぜひ味わってみたかった。きっと味わい深い昔ながらの浴舎だったのだろう。
 今度は大浴場の八幡の湯を利用してみる。源泉は同じで,こちらの浴槽はパイプからお湯を注がせていた。元々混浴だった名残があり,中央の仕切りの板はとってつけたような感じだ。鹿の湯浴室を先に味わってしまったためこちらは魅力が一気にダウンする。やはり和泉屋に来たら,鹿の湯でまったりがお約束でしょう。再び鹿の湯へ行き,温めのお湯にじんわりと浸かった。風情でいうと岩風呂に負けるが,お湯自体の素性が良く湯治向きのすばらしいお湯だ。

 山形屋,和泉屋と足下自噴なのだからきっともう一つの井桁屋も足下自噴なのだろう。井桁屋旅館が日帰り不可のため,いつの日か宿泊利用し,3軒を1時間ずつハシゴ湯してみたい。

H18/8/16


  
こちらが鹿の湯浴槽。自噴している岩から70cmほど上に作られた浴槽。注ぎ口にはステンレスの蓋。   こちらが大浴場八幡の湯。ここは自噴ではなく引き湯