下滝鉱泉(Shimotaki Cold Spa)
施設名 藤屋旅館 場 所 福島県郡山市田村町下滝 源泉名 中津川鉱泉,下滝鉱泉 泉 質 単純放射能冷鉱泉 温 度 14.0℃ pH − 溶存成分総計 − (Rn含有量 37.9×10-10キュリーラドン (10.41マッヘ)) お湯の様子 無色透明,無味,無臭,加温,かけ流し 料 金 500円 営業時間 8:00〜21:00
郡山市の東端にある山奥の鉱泉宿。今回小野町のほうから県道を通って向かったため案内板が無く,到着に非常に難儀した。国道49号からだと,大きな看板(下写真参照)があるため入り口が見つけやすい。自分の車がモビルスーツ「ザク」に似ているため,このザク温泉にはぜひ一度訪れてみたかったのだが,今回近くを通ることになったので無理に立ち寄ってみた。ちなみに「ザクの湯」という名前の由来は,郡山市指定史跡「ザクの麿崖三十三観音」が近くにあることから付けられているのだと思われる。(旅館主に聞いても名前の由来は知らないとのことだったためあくまでも推定だが…)
まず外観にびっくりさせられる。集落の奥の登り坂にある壊れた民家のような外観で,入口を示す看板はこの小さな札(右写真)のみだ。壊れた民家の奥に普通の民家があり,何の看板もないがそれが入口だ。入口で入浴料を支払い,民家の奥へ進む。きしむ廊下から外へ付け足したように張り出した浴室棟へ入る。浴室棟の廊下は崩壊しそうな感じだ。浴室が2つ並んでいるが,片方は宿主の家族が利用している洗濯室となっており,奥の浴室のみが浴室として利用されている。脱衣所には分析表の別表のみが手書きで掲示されており,泉温14℃で放射能を含む冷鉱泉だということが記されている。早速中に入ってみると,シンプルな石造り浴槽が一つ待ちかまえていた。お湯は6分目ほどまで満たされており,湯口からの投入は無い。ここのお湯は自分で加温湯と源泉冷鉱泉をつぎ足して調節する仕組みになっているのだ。早速冷たい方の冷鉱泉をドボドボと追加投入した。浴槽のお湯がだんだん温くなっていくのがわかるが,暑い夏にはこの温めのお湯が気持ち良いのだ。今度は加温湯を注がせる。熱いお湯を足していくと浴室内に熱気がどんどん籠もっていくのがわかる。自分でお湯をつぎ足せるのがとても良い。しばらく追加投入したところで源泉投入を止め,静かにお湯に浸かってみた。無色透明で特徴は何もない。それでもこの石造り浴槽が妙に良い雰囲気を醸し出しているのだ。
はっきり言ってここは穴場です。普通の観光客はまず来ません。500円という値段も高めに感じるが,自分で好みの温度設定で楽しめるという意味では十分の値段でしょう。
H18/8/16
浴槽に注がれる透明感溢れる鉱泉。 美しい石組みの浴槽底が見えますか。 廊下などは鄙びが最高潮。旅館にはやはり見えない。
崩れた蔵が正面にあるため,母屋が見えない。 奥に見えるこれが母屋と思われる。が,今は使われていない。 国道沿いにある看板。やはりザク。