折木鉱泉(Oriki Cold Spa


施設名 折木の湯 つるや旅館
場 所 福島県双葉郡広野町折木字南沢
源泉名 折木の湯
泉 質 アルカリ性単純冷鉱泉
温 度 20.0℃ pH 9.0 溶存成分総計 248.6mg/kg

(Na 83.7mg, SO4 27.1mg, CO3 67.2mg, HS 1.3mg)

お湯の様子 無色透明,無味,温泉臭,加温有り,ヌルつる感あり,かけ流し
料 金 400円 営業時間 9:00〜16:00

 折木鉱泉は福島県浜通り地方にある鉱泉地で,県道35号から少し山の方向に向かった場所にある。折木鉱泉にはつるや旅館,若松屋旅館と2つの旅館があるがこちらが元湯となっている。山奥にありながら大規模な佇まいに最初ハズレを予想したがとんでもない勘違いだった。

 入口から入るとすぐ左に伸びる通路沿いに男女別の浴室がある。その奥には休憩室があり,湯上がりに自由に使うことができる。内湯に入るとやや広めのタイル造り浴槽が1つあり奥で何やらぼこぼこいっている。右奥の源泉湯口からは何も出ていない。あれ?やはり循環か?と思った矢先,右にある源泉と書かれてあるコックが目に入った。「水が出てくるまで左にお回し下さい。」さっそくひねってみると,今まで何も出ていなかった湯口から勢いよく水が噴き出してきた。どうやらこれは源泉を継ぎ足すときのバルブらしい。浴槽に浸かってみると,このお湯がものすごくぬめるヌルツル泉だということがわかった。これは驚異的だ。成分表を見ると炭酸イオンが67mgほどあり,正真正銘炭酸冷鉱泉である。バルブをひねるとこの幸せなお湯をドヒャドヒャ追加できるとは…。これぞ正しく「幸せの赤いバルブ」といったところか。冷鉱泉でぬめるといえば岩手久慈にあるべっぴんの湯だが,それ以上にヌルツル感がある。源泉を出せば出すほど浴槽のお湯は温くなるが,その分お湯が新鮮になり浴槽の縁からあふれ出してかけ流しをし始める。多少温くなっても加温の穴から温められたお湯が注がれてくるので平気である。本当にすばらしいお湯だ。源泉からはうっすら硫黄臭が感じられ,湯面からは温泉臭が香る。やや温めのセッティングにして,投入量と加温の具合を調整する。自分にとって一番ベストな温度でゆったりお湯に浸かり続けた。本当に,し・あ・わ・せ・を実感したひとときだった。しばらくすると若松屋に行っていた友人もこの旅館に合流し,さらに延長してこのお湯に浸かり続けた。いつまでも浸かっていられる,そんな錯覚に陥るお湯だ。

 今まで数々の鉱泉に出会ってきたが文句なしで最高峰です。ここはとても気に入りました。できれば家族などで宿泊のために訪れて,朝も昼も晩もゆっくりとお湯に浸かり続けたい旅館です。再訪は必死でしょう。

H19/10/5


  
四角い浴槽は奥にブクブクジャグジーがある   源泉を注ぐと奥の湯口と手前のパイプから源泉が継ぎ足される。  こちらが「幸せの赤いバルブ」

  
男湯限定の階下へ下る打たせ湯(水)    普段は飛び散らないように樋を伝って落としている。  つるや,この名前は自分の中で最高峰に位置づけられました。