聖石温泉(Hijiriishi Spa


施設名 村越精肉店 恵の湯
場 所 福島県田村市船引町大倉字聖石
源泉名 聖石温泉恵の湯
泉 質 単純鉄(2)冷鉱泉(炭酸水素塩型)
温 度 12.4℃ pH 6.4 溶存成分総計 700.4mg/kg
(Fe(2)31.2mg, Mn 3.4mg, Ca 74.6mg, HCO3 376mg, CO2 104.5mg)
お湯の様子 オレンジ色濁り,無味,温泉臭,加温有り,循環利用
料 金 400円 営業時間 8:30〜20:00 月曜定休

 田村市旧船引町にある精肉店が経営する日帰り入浴施設。国道349号沿いにあり,比較的目立つ看板があるため迷うことは無いだろう。もともとは精肉店として営業を始め,その後食堂「山の幸」を開き,夜の部として「8ボール」というスナックを作り足し,井戸を掘ったところ赤い水が出てきたので今度はお風呂を作ったのだという変わり種。地域住民にとっての憩いの場と化している。

 裏の恵の湯と書かれた入り口から入り,ロビーの祠前にある料金箱に入浴料400円を払って入る。湯の色が濃いために無料で貸しタオルもしてくれる。恵の湯という暖簾をくぐるとそこには住民が憩う畳スペースがあり,その前に男女別内湯入り口がある。脱衣所は狭く2人〜3人が入ると狭いくらいの広さ。浴室内はシャワー付きカランが1つあるだけで,浴槽は2人サイズと極小の広さだ。しかしながら,木で作られた浴槽とオレンジ色を呈した濁り湯のハーモニーを見た瞬間に,全ての雑念がぶっ飛ぶはずだ。まさしく「美しい」という一言以外に言葉が見つからないようなすばらしいお湯だ。お湯は加温された源泉が循環利用されており,岩の間から出てきたパイプ湯口から注がれている。芒硝臭のような温泉臭が香り,金気臭はしない。鉄分が多いのはわかるが鉄っぽくないお湯で,どちらかというと山形の「くしびき湯〜タウン」のようなお湯だ。狭めの浴槽に身を沈めると底に沈む湯花が尻や腕について茶色になる。
 肉屋の裏というシチュエーションからは全く想像が付かないこの光景。こんなお湯をこんな山の中で味わうなんて思っても見なかったため,しばらく心の奥底からわき上がってくるうれしさを押さえきれなかった。ここは近くを通った際には間違いなく立ち寄る1湯でしょう。

 こういう狭い浴室は大量の人が訪れて混んでしまうと大変なのであまり広めたくは無いのだが,近くに来た際はぜひ一度利用してみて欲しい。循環がどうだとかそんな気持ちはきっとぶっ飛ぶはずです。

H20/11/2


  
国道349沿いにあるのは食堂の看板。     正面が食堂山の幸とスナック8ボール      肉屋の裏にある湯小屋が恵の湯だ。

  
湯小屋から入ってすぐ正面に休憩室。その横から男女別の小さな浴室へ向かう。     こちらがこぢんまりした小さい浴槽。美しい色です。

  
この湯口から茶色いお湯が注がれる。浴槽内に吸い込み口があり循環利用される。 お湯を入れていない様子と入れている様子。この色の違いがわかりますか?