白布温泉(Shirabu Spa   


施設名 西屋旅館
場 所 山形県米沢市大字関字石切
源泉名 白布温泉1号,2号,3号源泉
泉 質

カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)

温 度 56.8℃ pH 7.5 溶存成分総計 1,250mg/kg
お湯の様子 無色透明,微硫黄臭,ビリッと熱め,ドヒャドヒャかけ流し,白い湯花
料 金 500円 営業時間 11:30〜15:30

 白布温泉の中心に位置する3軒の老舗旅館の一つ。東屋、中屋、西屋と3軒の萱葺き屋根旅館が並んでいたのは遠い昔のこと、今ではこの西屋のみが萱葺き屋根旅館として営業を続けている。昔ながらの佇まいとお湯を守り続けている旅館にようやく日帰り入浴で訪れることができた。

 帳場で入浴料を支払い、スノコが敷いてある渡り廊下(床下をお湯が流れている)を歩き、男性浴室入り口へ向かう。湯気が立ち上る渡り廊下もとても風情がある。狭めの浴室は薄暗く、3〜4人が入れる広さの石造り浴槽が一つと、舞台湯のように高い位置にある2人サイズの熱湯浴槽が一つある。主浴槽には衝立があり、衝立の向こうには打たせ湯が温度差をつけて3本あり、豪快にお湯を注がせている。打たせ湯のお湯がそのまま主浴槽に注ぎ込み、あり得ないくらい大量のかけ流しを演出している。そのかけ流されたお湯が先ほどの渡り廊下へと溢れ出しているという仕組みなのだ。浴室に入ってからこのシステムを理解するまでの時間、しばし唖然とこの光景を眺めてしまった。それにしても美しい。今まで見たことがない豪快なかけ流しだ。まずは主浴槽へ突入だ。ドヒャドヒャかけ流されている浴槽は人が一人入ろうと二人入ろうと溢れ出す量はさほど変わらない。しかも、一人出ようがすぐにまた溢れ出すのだからもう笑いが止まらない。お湯に入った瞬間ビリビリとくる硫酸塩泉独特の浴感があり、それでいて熱すぎず43℃程度の湯温になっているところが素晴らしい。お湯はうっすら硫黄臭が香り、湯面近くでは芒硝臭も香る。溢れ出すお湯もさることながら、後側で豪快に打たせてくる打たせ湯の音もまた強烈だ。うるさいかというとそうではなく、逆に自然な滝の音のような感じなのだ。お湯から上がり、浴槽わきの小さなスペースでゆっくり体を冷ます。そしてまた体が冷えてきた頃、湯の中に体を沈める。これを繰り返し、至福の時間は過ぎていった。他のお客さんが居なくなってからは、せまい浴槽わきスペースでトドになってみた。豪快に溢れるお湯なのでこれがまた気持ち良い。トドになりながら眺めた天井と湯滝の3本の流れはとりわけ美しく目の奥に残った。
 もう一つある浴槽は49℃(体感51℃)あり、とうてい人が浸かれる温度では無かった。加水してまで入ろうという気は起こらず、今回はパスさせてもらった。隣にある東屋旅館とほぼ同じ造りの浴室なのだが、何かしらこちらの浴室の方が風情がある感じがする。人の感じ方だろうが、個人的には西屋のほうが好みだ。

H22/11/20


  
こちら奥の熱湯浴槽。49℃はあります。そのままで入るのは危険です。   打たせ湯は3本。手前が一番温め。   衝立に守られた小さな浴槽は石造り。

  
溢れ方が尋常じゃありません。見えますでしょうか。   奥に向かって流れていくのですが、その先が廊下です。   廊下はスノコの下を廃湯が流れていきます。