高湯温泉(Shin-Takayu Spa   


施設名 吾妻屋旅館
場 所 山形県米沢市大字関字湯の入沢
源泉名 安部源泉
泉 質 含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉
温 度 55.6℃ pH 7.0 溶存成分総計 1,452mg/kg

(Ca 332mg, SO4 863mg, HS 1.2mg, H2S1.3mg)

お湯の様子 無色透明,無味,弱硫黄臭,適温,かけ流し
料 金 500円 営業時間 12:00〜16:00

 米沢市県道2号線を南下し、白布温泉よりも奥、天元台ロープウェーよりもさらに先の林道を上っていった先にある秘湯の宿。日本秘湯を守る会の会員宿で、日帰り入浴のことをここでは特別に「お試し湯」と呼ぶ。お試し湯の場合は露天風呂のみとなり、内湯は宿泊しなければ味わうことができない。しかもこのシーズンは女性専用ともう一つの見晴らし露天風呂は冬期閉鎖で使えなくなっていた。それでもよければということで利用させてもらった。

 旅館のすぐ目の前に混浴露天風呂と根っこ風呂がある。どちらも混浴で、駐車場や下の林道から丸見えの露天風呂だ。源泉はどちらも同じで、透明な熱めのお湯が惜しみなく注がれかけ流されている。まずは混浴露天風呂から楽しませてもらった。岩組みの開放的な露天風呂で、脱衣所を抜けた先がすぐ露天風呂の浴槽になっている。岩の間からお湯が注がれていて、外気のせいかちょっとだけ温くなっていた。温泉成分のため床が滑りやすくなっており、床の石には滑り止めとして#が刻まれているのが印象的だ。浸かり心地は抜群で、湯面からフワリと芒硝臭が香っている。うっすら硫黄臭も感じられる素晴らしいお湯だ。これはこれですばらしいのだから、おそらく内湯のお湯はもっとパワフルなのに違いない。
 今度は根っこ風呂へ移動した。根っこ風呂は木の根を縦にしてくりぬいた風呂が1つと、丸木を横にしてくりぬいた寝風呂形式のものと2つ並んでいて、どちらにも塩ビパイプ湯口からお湯が注がれかけ流されていた。混浴露天とは違い、どちらも1人サイズの小さいもので、フレッシュに熱めのお湯が注がれている。まずは縦になっている根っこ風呂に浸かった。自分が入った分だけザバーっとお湯が贅沢に溢れていく。樽風呂や陶器風呂などではこれをよく味わうのだが、純粋な木の根っこでこれをやったのは生まれて初めての経験だ。透明なお湯の中には白い湯花も舞っている。ビリビリと肌にさし込むような浴感があり、43℃程度の湯温なのだがそれ以上に感じる。これは気持ち良いです。よく見ると回りの山々はもう既に雪化粧をしており、雪見露天風呂になっていた。遥か下界には天元台ロープウェー山麓駅も見える。ビリビリと熱い浴感はすぐに慣れてしまい、逆に心地良くこのお湯に浸かり続けることができた。続いて寝風呂へ。こちらも気持ち良いが、先ほどの縦の根っこのような新鮮な感動は少なかった(どっちに先に入るかの問題)。先に入浴していたお客さんはあまりの気持ちよさに時間を忘れもう20分以上このお湯に浸かり続けていたのだそうで…。

 景色といい、お湯といい、どちらも本当に素晴らしいです。ここはいつの日か宿泊で利用したいと思いました。でも秘湯会の宿って宿泊料金が高めなんですよねぇ…。

H22/11/10


  
こちら一番下にある混浴露天風呂。   床が滑るため、滑り止め用の傷がいっぱい刻んであります。  湯口は石づたいにお湯を注がせる石湯口。

  
すぐ横にある根っこ風呂。  まずは横にした寝風呂。    こちら1人サイズの根っこ風呂。ここの浴感がとても素晴らしかった。   湯口はパイプから注がれる。