小野川温泉(Onogawa Spa   


施設名 斧川の湯 やな川屋
場 所 山形県米沢市小野川町
源泉名 協組4号源泉 (5号源泉も混合)
泉 質

含硫黄ーナトリウム・カルシウム-塩化物泉
(含食塩・塩化土類・硫黄泉)

温 度 82.3℃ pH 7.3 溶存成分総計 5,831mg/kg
(Na 1412mg, Ca 547mg, Cl 3199mg, CO2 24.4mg, HS 1.7mg, H2S 2.5mg)
お湯の様子 無色透明,硫黄臭,塩味,適温,かけ流し
料 金 湯巡り独楽利用 営業時間 8:00〜21:00

 小野川温泉にある温泉旅館で最後に訪れたのがこのやな川屋旅館。見た目に豪華ホテルのような感じに見えていたので今まで入りづらいところがあったのだが、意を決して入ってみると意外や意外、中は昔ながらの古き良き時代の色を受け継いだ伝統的な和風温泉旅館だった。この旅館は裏手に別館ほてい荘も併設しており、本館の「斧川の湯」、ほてい荘にある「こまちの湯」そして本館の5階にある展望露天風呂の3ヶ所を利用できる。この日訪れた時間帯が大浴場斧川の湯が清掃タイムに入るということで、入る直前の浴室だけを見学し、その後ほてい荘にあるこまちの湯と5階にある展望露天風呂を味わわせてもらった。ちなみに宿泊する場合は1泊2食付きでも8000円程度となっており見た目と違ったリーズナブルな旅館だ。

 こまちの湯浴室は小振りな浴室で男女別になっている。女性湯はどうなっているのかは分からないが男性浴室はキノコづくしだ。まずは浴槽の形、ななめにはなっているが正真正銘のキノコ型浴槽だ。そのキノコ浴槽の隅にニョキニョキと3本の巨大キノコが生えている。そのキノコの手前1本からお湯が注がれている。一度の3人程度しか浸かれないキノコ浴槽の縁を彩るタイルには様々なアートが描かれており見ていて飽きない。湯温は41℃と適温で、ふんわりと硫黄臭が香るお湯だ。大きめの窓の外に目をやると、昔は稼働していたであろう小さな露天風呂スペースもあった。それにしてもここはゆっくりと時間が流れているように思えてくる。いつまで経ってもこの浴室を去る気持ちになれないのだ。良いお湯、良い雰囲気、そして変わり種のキノコ湯口…。結局この浴室だけで30分ほど滞在してしまった。
 続いて本館5階にある露天風呂を目指した。先ほどこまちの湯に30分ほど居たので、ここはあまり長居するつもりは無かったのだが…。小さめの脱衣所を越えて扉を開けると、そこには洗い場スペースがまずあり、湯気がモウモウと篭もっている。そう、ここは源泉が一旦升に入れられて冷ましている場所なのだ。そこから扉を開けると、正面に石タイル造りの5人サイズの露天風呂が広がっている。外は雪なので景色はあまりきれいに見えなかったが、明らかにほてい荘浴室よりも濃いめの硫黄臭が香ってくる。お湯の塩気も濃く感じられた。入るつもりは無かったのに、気付いたら服を脱いでお湯にゆったりと浸かっていた。ここのお湯は源泉をそのままかけ流していると張り紙に書かれていたが、まさしくそんな感じで濃いめになっていてとても気持ち良かった。ちょっとのつもりが、結局長湯することになりました。

 ううん…、こんな旅館だったんですね。今まで敬遠していた自分がばからしく思えてきました。やはり人と温泉旅館は見た目で判断してはいけないっていうことですねぇ。最後に残しておいたやな川屋旅館はとてもナイスな旅館でした。

H24/12/1



こちらは5階にある展望露天風呂。    洗い場が手前で奥がゆったり露天風呂。温度はちょうど良い42℃でした。    湯口は手前がわにありました。  


別館ほてい荘にある浴室「こまちの湯」  男湯はきのこ型浴槽にきのこ湯口。変わり種です。    縁に描かれた魚などのアートが美しい。   


窓の外には昔あったと思われる露天風呂浴槽(現在未利用)。   こちら大浴場斧川の湯。この時間帯は清掃中でした。    昔を語る入り口の文字。こっちも格好良いかも。