漆山温泉(Urushiyama Spa   


施設名 山形市老人福祉センター やすらぎ荘
場 所 山形県山形市漆山
源泉名 漆山源泉
泉 質 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
温 度 38.0℃ pH 5.5 溶存成分総計 24,190mg/kg

(Na 7587mg, Ca 1201mg, Cl 14560mg, Br 44.5mg)

お湯の様子 薄黄色透明, 微消毒臭+海臭,ミネラルたっぷり塩味,熱め,半循環かけ流し
料 金 200円 営業時間 10:00〜21:00 第1木曜定休

 山形市の漆山から寒河江方面へ県道を走っていてまもなく中野地区に入ろうかというときに、右手田んぼの中に「古湯の秘湯」という文字が見えた。この看板を見てあれ?温泉施設?と思い、もう一度よく見ると「総合福祉施設いきいきの郷」という名前だった。この名前を見た瞬間に「あぁ、老健施設だね。これはどうせ福祉施設利用者のための温泉なんだろうなぁ。」と思い、通り過ぎようと思ったその時「21:00まで営業」という但し書きが目に入った。ん???日帰り可ですか?
 気になったので蔵王宿泊の次の日の午前中、もう一度その道を通ってみることにした。案内看板に沿って道を曲がりしばらく進むと、民家の屋根に「←成安温泉」とか「ようこそ果物と福祉と温泉の町へ、成安温泉はここを左折」と書かれてある案内表示が見える。看板ではなく屋根ですかい。地域ぐるみでこの温泉をPRしているというのがよくわかる。細い道を進んでいくと奥にバカでかい鉄筋コンクリートの学校のような巨大福祉施設が見えてきた。あちゃー、やっぱり老健施設か。そう思って正面駐車場を見るとやはり車は一台も駐まっていない。だれかが訪れている気配も感じられなかった。建物の左奥の方向になにやら矢印が見える。温泉入り口とはっきり書いている。その方向へ向かうと…。ありました。たくさんのお客さんが来ている証しの駐車場が。正面ではなく裏手に入り口があり、そちら側が受付になっているのだ。巨大な4階建ての建物の裏に隠れて正面から見えないが、何と温泉200円、プール200円で利用(子ども100円)できる立派な地域住民のための施設だったのである。この日は暑かったのでプールが大にぎわいで駐車場がほぼ満杯だった。

 受付で入浴券を買い、恐る恐る浴室に入ってみた。すると老健施設らしい広めの浴室があり、20人くらいが一度に浸かれるサイズのL字浴槽が1つとサウナ、そして水風呂が設置されている。お湯の投入量はやや多めで、反対側のジェットバス付近に溢れ出すかけ流しポイントがある。吸い込み口も浴槽内にあるため、半循環利用と思われる。お湯はうっすら黄色い透明で、強烈な塩味がする温泉だ。香りは若干の消毒臭と海臭がするお湯で、湯上がりがペタペタする感じだ。地下1000m以上掘り下げてくみ上げている温泉のため、塩分濃度がかなり濃い。それなのに透明になっているのはもしかすると濾過しているからかもしれない。源泉温度が低いため加温もされている。これだけの浴槽のお湯を加温しながら200円で営業をしているというのはとてもびっくりだ。よく見ると外に露天風呂もあるではないか。早速ドアを開けてみると、そこは休むスペースなど無い「開ければそこがお風呂です状態」の露天風呂だ。露天風呂は6人サイズの石組みで、奥の広いスペースには砂利がしかれている。この日は先客がその砂利の上で寝転がっていた(直射日光で熱くないのか?意識はあるか?など心配になったが)。こちらもうっすら消毒臭がする加温ありのお湯で、浴感は露天風呂の方がすこぶる良い。何て贅沢な温泉なのだろう。こんな温泉がこんな場所にあったとは…。改めてヤマガタ恐るべし!といった感じだ。

 それにしても、あれだけたくさんの車が駐まっていたのに、温泉に入っているお客さんはたったの2人だった。あとはプールに入っている親子連れということか??とにかく、コストパフォーマンスが最高のお湯で、冬などの季節の食塩泉好きにはお勧めできるお湯だ。

H24/6/4


  
県道から見えたこの看板でピーンときて曲がりました。   途中の民家の屋根に案内表示があります。   たどり着いたバカでかい施設の裏手に受け付け入り口があります。     

  
さすが福祉施設です。広い内湯浴槽。ジェットバスもついています。    湯口から注がれる加温源泉。     そしてかけ流しスポットもちゃんとあります。   

  
それでいて露天風呂もあります。けっこう広いです。   砂利スペースから撮影してみました。手前にかけ流しスポットがあります。  石を組んだ湯口から少しずつ注がれる源泉。