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赤湯温泉森の山の麓にある旅館で、以前まであった公衆浴場丹波湯のすぐ裏手にある。白亜の建物が目を引き、大和という名前から純和風旅館を想像する。いろいろな意味でこの常識が覆っていくのだが…。 浴室は２つあり、男女入れ替え制で利用している。今回は男性浴室が手前のローマ風呂だった。ちなみに奥は和風の岩風呂らしい。大和屋なのにローマなのはなぜ？？と思いながら脱衣所へ入るともっとびっくりすることになる。あちこちに石膏像のミニチュア版が並んでいる。パウダールームのミラーにはカラーが彩られている。ううん、ローマかあ。浴室に進む白い通路にも石膏像が…。
さて、浴室に入ると…、湯気で曇った先に何やら光り輝く物体がある。近くに行ってみるとバカラグラスのようなものをアクリルケースに入れてライトアップしている。湯口にはビーナス像が立ち、奥に細長いタイル浴槽をなみなみと熱いお湯で満たしている。浴室全体にはふんわりと硫黄臭が漂い、狭い洗い場の床にお湯が溢れている。浴槽のお湯は熱めの44℃で、浴槽が深いため、アゴまでとっぷりと浸かるとこれがまた気持ち良い。お湯に浸かって天井を見上げるとうっすらエメラルドグリーンとピンクの照明でぼんやりと白い天井を照らしているのが見える。ううん、ローマかあ。思わず納得してしまった。白亜の壁にはローマが似合う。だんだんそう思えるようになってきた頃には体が真っ赤になっていた。 H22/11/20 |
