塩原元湯温泉(Shiobara Origin Spa


施設名 大出館
場 所 栃木県那須塩原市湯本塩原
<墨の湯:黒い湯>
源泉名 五色の湯No.3
泉 質 含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)
温 度 52.6℃ pH 6.4 溶存成分総計 1,153mg/kg

(Fe(1) 4.4mg, Na 324mg, HS 7.9mg, H2S 35.8mg, Cl 343mg, HCO3 383mg)

お湯の様子 墨色濁り,タマゴ味,硫化水素臭,適温,かけ流し
<墨の湯:白濁の湯>
源泉名 五色の湯No.1
泉 質 含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)
温 度 57.7℃ pH 6.5 溶存成分総計 3,416mg/kg

(Na 720mg, Ca 108mg, HS 12.4mg, SO4 107mg, Cl 926mg, HCO3 794mg)

お湯の様子 薄緑色白濁,硫黄味,硫黄臭,やや熱め,かけ流し
料 金 600円 営業時間 10:00〜14:00

 塩原元湯温泉の3軒の旅館で一番奥に位置する秘湯を守る会会員宿。3つの旅館は軒こそ並べているが,隣の元泉館から見える位置にあるのに徒歩で直接移動できず,移動する場合は道路を大きく廻って向かうことになる。

 玄関入口から入って浴室は階下へ下ることになる。エレベーターを利用して一番下まで下り,さらに右奥へ進むと4つの浴室が並んでいる。手前から家族風呂,御所の湯,女の湯,墨の湯だ。ここの名物はやはり混浴の墨の湯であり,まず早速そこから利用させてもらった。

 混浴内湯という割にはかなり狭めで,内湯には2つの浴槽がL字に並んでいる。広めの浴槽が真っ黒い墨湯浴槽で,もう一方が薄緑白濁の硫黄泉浴槽だ。その色の違いにまずびっくりしてしまう。どのくらい黒いのかは下の写真を参考にしてほしい。手を浸けると5cmほどでうっすらと手が見えなくなる。10cmを越えると完全に見えなくなってしまうのだ。首まですっぽりお湯に浸かると,方から下が全く見えない状態になる。湯口から注がれるお湯もうっすら黒く,飲泉するとしっかりタマゴ味がする美味しい硫黄泉だ。それにしても不思議な感覚である。本当に真っ黒なのだ。隣のうす緑白濁の硫黄泉もすばらしいのだが,やはりこの墨湯の魅力には叶わない。白濁の方に入ったり,墨湯の方に入ったりとしばし入り比べてその魅力に浸っていた。
 こんなに魅力的なお湯だったのだが,朝から硫黄泉に入り続けていた分だけ体力が落ちており,あまり長湯ができなかった。こんなすばらしいお湯が待っていると知っていたのであれば,きっと他の旅館をカットしてでもここを満喫していただろうに…。

H19/8/15


  
墨の湯浴槽は2つ。右がNo1,左がNo3の源泉を利用。  美しい緑系白濁泉。墨湯前ではちょっと霞むか?   No1の湯口。こちらのお湯もなかなか良いのだ。

  
真っ黒なお湯なのだが源泉口ではうっすらグレー。   手を沈めただけであっという間に真っ黒になる    ちなみに水中写真はコレです。失敗ではありません。


<御所の湯>
源泉名 湯本塩原温泉(御所の湯)
泉 質 含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(硫化水素型)
温 度 50.9℃ pH 6.2 溶存成分総計 1,842mg/kg

(HS 10.2mg, H2S 72.7mg, Cl 586mg, HCO3 791mg)

お湯の様子 薄緑色白濁,熱め,硫化水素臭,タマゴ味,かけ流し

 こちらは御所の湯と呼ばれる浴室で墨湯の浴室よりも手前にある。浴室内には内湯浴槽が2つ並んでありその奥に露天風呂がある。ちなみに2人以上で貸切利用することができる家族風呂がとなりに1室ある。ここは名物の「墨の湯」とは別源泉のお湯を利用している。こちらのお湯五色に色を変える硫黄泉といわれており,日によっては墨の湯のように黒い湯花が出てうっすら黒っぽくなる時もあるらしい。この日は美しい緑色白濁だった。湯口付近ではしっかり硫化水素臭が香り,やや熱めのパンチがあるお湯だ。石造りの壁にコンクリート浴槽がある広々とした浴室で,ゆったりとお湯に浸かり,のんびり汗を流すことができる。墨湯と違ってインパクトこそ少ないが十分すばらしいお湯である。
 露天風呂は内湯から外へ出て階段を下るとある。この日はアブがぶんぶん飛んでいたため見学だけで終わった。お湯の色の美しさはここが一番だろう。ちなみに女湯の露天風呂にも御所の湯が使われているので,女性はこの浴室に無理して入る必要は無いだろう。

H19/8/15


  
うっすら緑色に濁った白濁硫黄泉。左と右では熱さが違う。 湯口から注がれるちょろちょろ源泉   露天風呂は美しいグリーン色。