畑下温泉(Hataori Spa


施設名 旅館 いづみ
場 所 栃木県那須塩原市下塩原
源泉名 畑下源泉
泉 質 ナトリウム-塩化物泉
温 度 77.0℃ pH 6.3 溶存成分総計 2,753mg/kg
(Na 625mg, Ca 119mg, Cl 897mg, SO4 267mg, HCO3 291mg)
お湯の様子 鶯色濁,弱金気臭,金気味,熱め,黒湯花,かけ流し
料 金 500円 営業時間 要相談

 畑下温泉を歩いているときに,箒川の反対側に見える浴室が印象的だったので立ち寄ってみた。宿主にどこの温泉に所属するのかと尋ねたところ,川を挟んで反対側にこそあるが畑下温泉に所属するのだという。源泉成分表が無かったので参考までに畑下の一般的な分析表を載せておく。

 入口横に立派な木組みの蕎麦打ち小屋がある。ここで手打ちの二八蕎麦を打つらしいのだが,この日はお盆ということでお休みだった。入口から入ってずっと奥まで下ると男女別の浴室がある。男性浴室には露天風呂もあるが,こちらはお湯を入れていなかった。箒川の川沿いにある眺めの良い浴室で,目線の窓から川を眺めることができる。コンクリート製の浴槽が1つあり,パイプ湯口から注がれたお湯が岩を組んで作られた反対側のスペースの方に向かってかけ流される仕組みになっている。お湯は鶯色濁りで若干金気臭がするもの。お湯の表面には黒っぽい湯花が浮かんでいる。撹拌してみると湯の底からもじわじわ黒っぽい湯花が舞い上がってくる。湯温は熱めで,体にビリビリ染みこんでくる。実際計ってみると46℃ほどあった。体を底に沈めると自分の足がぼんやりとしか見えない透明度で,キシミ感があるお湯だ。熱さにほどよく慣れた頃あたりを見渡してみると,壁が土手の石組みをそのまま利用していることがわかった。ここはもともと旅館を建てる際に積み上げた石壁の土手の部分で,その場所に湯小屋を建てたということだ。仮設チックなイメージが浮かんできて不思議な気持ちになってくる。反対側の窓から下を眺めると崖下に箒川が流れている。時間さえあれば長湯を,と思ったのだが,とにかくビリビリに熱かったので浴槽からそそくさと退散してしまった。石造りの床に体を寝そべらせて汗を出すと,これが本当に止まらない。止まらないけれどまた熱湯に浸かるものだからまたまた汗が出てくるのだ。止めればいいのにこのお湯,麻薬のように何度も浸かりたくなってくるのだ。
 友達との約束の時間が近づいてきたので泣く泣くあきらめてこのお湯を後にした。この近辺がこういうお湯なのだとしたなら,次回は他の旅館にもお湯を借りに行ってみたいと思った。

H19/8/15


  
美しいまでの鶯色濁り湯。採光も良く,窓からの景色も良い。   加水が若干有るが濃厚なお湯。   河原の土手壁面ブロックをそのまま壁として利用。