鶯宿温泉(Ohsyuku Spa   


施設名 雫石町民憩いの家 鶯宿集会所
場 所 岩手県雫石町鴬宿第6地割
源泉名 鶯宿温泉(杉の根の湯)
泉 質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
温 度 57.9℃ pH 8.7 溶存成分総計 645mg/kg

(Na 153mg, Ca 36mg, SO4 303mg, Cl 49mg, HS 0.3mg)

お湯の様子 無色透明,熱め,はっきり硫黄臭,卵味,白い湯花,かけ流し
料 金 300円 営業時間 10:00〜21:00 水曜定休

 岩手県雫石町,鶯宿温泉街の入口付近にある町民専用の公衆浴場。これはジモ泉と呼ぶべきか迷うが,町民以外の利用を厳しくチェックする管理人がいるためジモ泉と位置づけた。現金入浴は一切受け付けていない。今回は管理人に断って中の様子を見学させてもらった。

 入口の受付スペースも狭いが脱衣所も狭い。小さめの脱衣所を抜けるとそこは狭いスペースの洗い場,そして4人程度入れそうな浴槽がある。浴室内にはほどよい硫黄臭が立ちこめており,お湯の良さが感じられる。水と温泉の蛇口があり,自己調節できる仕組み。この日は41℃で適温だった。ここのお湯は朝一番で基本的に加水無し,加温無し,循環無し,消毒無しのかけ流しだが,利用する町民によって次第に薄められていくため夕方になればなるほどお湯の状態が悪くなっていくらしい(管理人談)。ここを利用できるのは町民のみで,町民が役場に申請して入浴券を手に入れて利用する仕組みで現金入浴は一切受け付けていない。いつの日か町民にでもなって堂々と利用してみたい施設である。

H18/9/16


入り口にはいっさい掲示がない。   扉の奥に立てかけてある場所に「町民以外利用を禁止」という札がある。   良さそうな浴槽が1つ。シンプルです。


 以前ASさんからの掲示板書き込みで「町民憩いの家がジモ泉じゃなくなった」という情報を教えてもらい,いつか訪れて確かめてみないと…と思っていたまま機会が無く,1年以上が過ぎ去ってしまった。久しぶりにじっくり鶯宿を訪れるチャンスができ,やっと町民憩いの家に行くことができた。
 よって今回を機に,伏せ字を外して掲載することにします(2008/8/6現在)

 鶯宿温泉観光案内所で入浴について伺うと真っ先に聞かれたのが「町民ですか?」という質問だった。いいえ,と答えると「一人300円です」と言われ,入浴券を受け取った。ちなみに町民だと1世帯3600円(1ヶ月300円)で1年間利用できるパスを発行してもらうのだという。数ある地元民のための施設の中では最安ではないだろうか。1世帯を5人と計算し,毎日利用すると考えると…300円÷5人÷30日=2円。一回入浴が2円という計算になる。うぅん,本気で雫石町民になりたいと思った。
 さて,入り口まで行き,前回までの様子との違いに気づいた。何もなかった玄関に,営業時間や定休日が書かれたプレートが貼られていた。以前プレートに書かれてあった「町民以外の利用を禁止します」という部分に白いシールが貼られて消され,その上に「町民以外の方も300円でご入浴できます。雫石町」と但し書きができていた。以前までのただの集会所のような建物が,このプレートが掲げられたことで温泉施設だということが鮮明にわかるようになっていた。先ほど観光案内所で購入した入浴券を管理人に出し,いよいよ浴室内へ堂々と立ち入った。以前はこれが許されなかったと思うと,感無量な気分だ。

 地元の利用客が3人ほどいて,みんな元気の良いあいさつをしてくれた。よそ者が来たぞという感じではなく,よく来たなゆっくりしていけ!といった気持ちの良いあいさつだ。気持ちがさらに嬉しくなった。浴室全体に漂う硫化水素臭も健在だ。4人サイズの浴槽が奥に鎮座し,手前の左右の壁面に3つずつ洗い場がある。右側の洗い場はシャワー付き自在カランで真水をわかしたお湯が出る。左側のカランは蛇口のみで,源泉と水道水が出る。個人的には右側のカランが最高のコンディションだと感じた。お湯は無色透明で硫化水素臭がはっきり香り,口に含むとはっきり卵味がする。湯の中にはふわふわとはっきり白い湯花が舞っていた。熱めのお湯に体を沈めると,湯面からもはっきり香りが漂ってくる。思わずこのお湯にうっとりしてしまった。これぞまさしく鶯宿温泉のすばらしいお湯だ。一人,また一人と「お先〜」と元気な挨拶をし浴場を後にしていく。気がついたらこのお湯を独占していた。すばらしいひとときが過ぎていった。
 鶯宿温泉では現在30の魅力造りという温泉街再建キャンペーンを実行中である。温泉街をよくしていこうというオープンで前向きな考え方をぶつけあっていく中で,閉ざされた地元民の浴場を観光客や一般の人たちに開放するという試みが生まれたのであろう。ますます鶯宿温泉が好きになったのは言うまでもありません。

H20/8/5再訪


  
改めて入ってみると深い浴槽だと言うことがわかる。    この蛇口から源泉を継ぎ足してかけ流し。   白い湯花が大量に舞う。すばらしいです。