地獄谷温泉(Hell Valley Spa


施設名 後楽館
場 所 長野県山ノ内町平穏
源泉名 延命の湯
泉 質 ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
温 度 72.9℃ pH 7.0 溶存成分総計 1,269mg/kg

(Na 190mg, Ca 120mg, H2S 0.5mg, Cl 250mg, SO4 450mg)

お湯の様子 茶褐色濁り, 加水あり,適温,薄塩味+タマゴ味,硫黄臭,かけ流し
料 金 500円 営業時間 8:00〜9:30,11:30〜15:00

 渋温泉よりもやや奥の道路を山の方へ向かい約2.5km進んだ先にあるのが地獄谷で,渋温泉の比良の湯などの主力源泉はこちらからの引き湯。地獄谷には自然公園があり,その自然公園の手前に車を停めると駐車料金が500円かかる。公園駐車場からさらに川沿いに10分ほど歩きやっとの思いで後楽館に着く。旅館で入浴するためには旅館に入浴料を支払う必要があるので,ここでさらに500円の出費となる。公園に寄らずに温泉に立ち寄る人たちにとっては実に不条理な出費となる。

 入口から靴を脱ぎ,狭い廊下を進むと今度は男女別に分かれて男湯は下へ下っていく。上には女性用の浴室と家族風呂2つ,下には男性浴室と混浴露天風呂がある。脱衣所からまず内湯へと入る。すぐに総檜造りのすばらしい浴室が出迎えてくれた。柔らかめのお湯で,加水のおかげからか温めのセッティングだ。浴槽に魅力を感じたがまずは猿で有名な露天風呂へ行かなければ。そう思い,早速露天風呂へ続く扉を開けた…。

 …いた。

 まさしく猿。一緒に扉を開いた友人と二人呆然。しばし1mの至近距離で猿と人がお互い見つめ合っていた。その時の映像がこの写真。ちぇっ,と言わんばかりにその場を後にする猿だった。 (後ほどその猿がお湯の偵察にやってきてしばし浴槽の近くに来て飲泉している姿があった)
 この日は雨だったため観光客も少なく,露天風呂の向岸には人影もほとんどなく,我々が猿になる必要は無かった。露天風呂といってもすばらしい設備や絶景が広がっているわけでなく,川岸の岩をそのまま利用してコンクリートで固めたような造りで,夜などは浴槽の斜めのスロープ(天然岩)で転んでしまいそうな感じがする。お湯は数カ所から注がせており,たくさん源泉があることがよく分かる。それぞれ硫黄臭をしっかり主張し,飲泉するとうっすらタマゴ味がする。気がつけば 川に渡してある源泉パイプの上を2匹の猿が綱渡りしている。まさにここは猿の王国だ。
 内湯に戻ると今度は先ほどの美しい浴室が待ちかまえていた。露天風呂よりは香りはマイルドで,やはり加水の影響が高いことがわかる。それでも白い湯花がちらほら舞っていてしっかり硫黄泉らしさを出している。ここは長湯するのが良いでしょう。しっかり宿泊して夜に猿たちと一緒に湯浴みするのが良いでしょう。日帰りだと500円+500円で割高感があるのでここはぜひ宿泊で利用することをおすすめしたい。

H19/7/15


  
駐車場から徒歩で旅館へ向かう。約10分の登山。    旅館に着いたら今度は浴室へ下る。    対岸に間欠泉。これを見に観光客が来ると・・・。

  
感じの良い内湯湯小屋。総木造で抜群の雰囲気。    湯口の横で大量加水しているのが惜しい。    こちらが有名な猿も入浴する露天風呂。