角間温泉(Kakuma Spa


施設名 共同浴場「角間大湯」
場 所 長野県山ノ内町佐野
源泉名 角間温泉(大湯)
泉 質 含砒素石膏-弱食塩泉
温 度 87.8℃ pH 溶存成分総計
お湯の様子 無色透明,熱め,鉱物臭,黒い湯花,湯上がりべたべた感あり,かけ流し
料金 まるごてら号利用 営業時間 9:30〜16:00,日曜日は利用不可

 湯田中・渋温泉から国道292号バイパスを挟んだ反対側の丘の上にある集落に角間温泉があり,5軒の旅館と十数軒の民家で成り立っている。その小さな温泉街に3つの共同浴場があり,その中で一番大きく新しいのがこの角間大湯。どの共同浴場も鍵制で地元民によってしっかりと管理されており,入浴料金を支払うと鍵を貸してもらえる。今回は山ノ内町の企画であるまるごてら号湯めぐりを利用して入浴した。

 旅館が建ち並ぶ角間温泉の中心に位置し,木造3階建て建築の越後屋とようだ屋の真ん前にある風格のある造りの共同浴場。正面に入口があり右側には洗濯場が付随している。正面入口から電子ロックを解除しいよいよ中へ入ってみた。脱衣所一体型の浴室で,L字に曲がった脱衣所のすぐ横に美しいタイル浴槽が1つ鎮座する。平成になってから改装したらしく,湯小屋の外観(古い)と内装(新しい)のギャップがある。壁に掛かっている分析表は昔ながらの手書きのもので,男女両浴室から見えるような巨大なサイズのもの。
 早速お湯の様子を見てみると,木の湯口から注がれるお湯はうっすら鉱物臭が香り,浴槽の底には黒っぽい湯花が沈んでいる。成分が濃くなってくるとアブラ臭に変化しそうな素敵な香りだ。お湯は熱めで,薄塩味に若干不思議な苦味を伴った味がする。底に沈んでいる湯花を舞い上がらせると小さな湯花がさらさらとお湯の中を落ちていくのがよく見える。透き通ったお湯だからこそできる贅沢だ。浴槽の中から脱衣所や天井方向を眺めると,この湯小屋の造りが昔ながらの木造建築であることがわかり,改めてその文化のすばらしさを実感できる。ここは本当にすばらしいです。角間温泉全体がいつの日か温泉ファンの手によって文化遺産に指定されてもおかしくないと思いました。

H19/7/14


  
タイル造りのシンプル浴槽。床の石組みが美しい。   湯口から注がれる大量のお湯。鉱物系の香りがする。   湯面が揺れ,かけ流し。美しい色合いです。

  
こちらの鍵穴にさし込むとロックが外れる仕組み。   鍵はシンプル,手作り,それでいて味わい深い。   裏口の用に見えるところが洗濯場。