乳頭温泉(Nyuutou Spa)
施設名 孫六温泉 場 所 秋田県仙北市田沢湖生保内字駒ヶ岳 源泉名 大釜温泉(唐子の湯) 他 石の湯源泉もあり 泉 質 単純温泉 温 度 49.9℃ pH 7.4 溶存成分総計 560mg/kg (Na 102mg, HCO3 175mg, SO4 110mg, Cl 81mg) お湯の様子 無色透明,無味,弱硫黄臭,白湯花あり,かけ流し,熱め 料 金 500円 営業時間 7:00〜17:00
乳頭温泉郷の中で一番秘湯と言われる旅館。黒湯駐車場まで車で来て徒歩で5分下るか,大釜温泉の裏から登山道で15分歩くかの手段でしかたどり着けない。冬期間は大釜温泉側から徒歩で上ってくる。乳頭温泉の旅館が次々とリニューアルする中で,孫六温泉だけは昔ながらの佇まいをほぼ変えずに鄙びの雰囲気を強烈に出している。旅館は自炊湯治と旅籠の両方がある。内湯が男女別唐子の湯,混浴の石湯,石湯の外に露天が2つ,奥に打たせ湯がある。女性専用露天風呂もある。
この旅館は2部屋のみ自炊部があり,安い料金で利用できるのがうれしい。2年連続で自炊部にお世話になった。宿泊で利用すると,どのお風呂も時間を気にせずに十分に満喫ができる。お湯は無味無臭で無色透明の単純泉で,これといって特徴がないお湯なのだがなぜかほっと落ちつく。ここはお湯がのやわらかさがすばらしい。石ノ湯は熱め,露天は2つともぬるめで庭の池のようなイメージ。個人的には底にブロックが置いてあり座って入れる唐子の湯が一番落ち着く。
H14/8/12
湯めぐらんすで宿泊利用しました。今回の設定は1泊朝食付きで6500円です。遅いチェックインだったのでもう宿の周辺は真っ暗で歩いて宿まで向かうのは大変でした。
<唐子の湯>
まず向かったのが深夜の唐子の湯。こちらは昔から大好きだった風情有る内湯である。新しい唐子の湯はいったいどうなっているのだろうか?昔のままなのだろうか?そんな期待に胸をふくらませて早速突入した。壁の板や天井などは新しい木材でリニューアルしてあるが,造りは昔ながらのコンクリート造りの風情有る浴場のままだった。ほわっと香ってくる焦がし系硫黄臭もなかなかだ。湯面で49℃と熱すぎたので,攪拌して47℃まで湯温を冷ました。何せこの浴室,加水するための施設が全くないのである。湯温を下げるには窓を開けて風を入れるか,湯もみして冷ますか,あるいはだれかが氷代わりにどぶんと入浴するかしかないのである。しょうがないので,47℃まで下がったお湯にどぶんと浸かってみた。ビリッとくる浴感が肌に刺し混んでくる。熱めなのに心地よいのはこの浴室の風情とお湯の良さからだろうか。川の音が聞こえるだけであとは何も聞こえない。ゆっくりと湯口から熱めのお湯が注ぎ込んできている。ふと床板に手をやるとじわりと床板の隙間からも熱いお湯がにじみ出てきている。やはりここ唐子の湯は「足下自噴浴室」なのだろう。じっと黙ってお湯に浸かっていると,いつのまにか湯温が48℃,49℃と上がっていった。油断も隙もありませんね。なめらかなコンクリート床にトドになり,しばしビリビリと熱くなった体を冷ましていく。そしてまた熱いお湯に浸かる。本当に素敵な湯浴みだった。
結局,夜中にもう一回,早朝5時台にもう1回。そして黒湯を訪れた後もう1回このお湯にじわりと浸かって楽しみました。やはりここのお湯は最高です。改めてその良さを見直しました。
夜の唐子の湯の看板。昔のままの看板が嬉しい。 うっすら暗い浴室。湯面が静かに揺れ動いています。 こちらが朝一番の唐子の湯。加水施設がないです。
一応湯口はあります。湯小屋の外にある源泉湧出地からここへ引き湯。 床板の間からも静かに注がれている。 湯温は49℃。通常の人は無理です。<石の湯>
石の湯浴室は唐子の湯浴室のすぐ脇にあり,大きな石の上に作られたコンクリート浴槽が特徴的な浴室だ。男女混浴で脱衣所こそ男女別だが,階段を下りていくところで男女が合流することになる。昼間の入浴は女性にとってはちょっと辛そうな造りだ。
舞台の上から下へ降りていくようなアプローチで,脱衣所のすぐ下くらいの場所でお湯が自噴し,浴槽に静かに注ぎ込んでいる。唐子の湯よりも湯温は低めで,比較的入りやすい。お湯の焦がし硫黄臭もやや控えめだ。ここの床にも敷き板があり,敷き板の間からちょっとだけ熱いお湯が湧出していているようにも感じられる。唐子の湯よりは湧出量は少ないのかもしれない。湯温が低い分だけじっくり入ることができてこちらも気持ちよい。湯小屋の外に混浴露天が2つあるが,こちらは石の湯からの廃湯と新規源泉を継ぎ足している上露天が心地良い。その下にある露天は,そこの廃湯なので,かなりお湯が劣化している。温めのお湯が好きな人向きのお湯だろう。ここの2つの露天風呂は宿から丸見えになるので,男女ともに度胸が必要なお湯だ。
こちらも昔ながらの手彫りの看板。 舞台の上(脱衣所上)から石の湯をのぞむ。 大きな石も昔のまま横たわっています。
浴室端っこから脱衣所方向を見る。風情抜群。 外の露天その1。黒い板壁ができたのがうれしい配慮です。 こちらが廃湯を利用した温め露天。宿泊した部屋は本館の下流側にある「唐子の湯」真向かいの棟だ。湯めぐらんすメンバー11人で宿泊したため,今回は4部屋を利用した。布団も心地良く,ぐっすり気持ちよく過ごすことができた。朝食はイワナの煮つけやゆで卵など,シンプルで美味しい朝食だった。何よりも白米がとても美味でついついおかわりをしてしまった。
少しずつリニューアルしている旅館が多い中,今まで通りのスタイルを貫いて営業をしているという孫六旅館に今更ながら感動してしまいました。これで通算3度目の宿泊利用なのですが,文句なしでオススメできる良い旅館です。H21/5/9宿泊
宿泊で利用した101号室。狭いながらも十分くつろげる部屋。 朝食はシンプルです。白米がとても美味。 部屋の真ん前にある唐子の湯。