日景温泉(Hikage Spa) 


施設名 日景温泉
場 所 秋田県大館市矢立
源泉名 日景の湯
泉 質

含硫黄-ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物泉(硫化水素型)
             (含食塩-硫化水素泉)

温 度 41.2℃ pH 6.2 溶存成分総計 9,262mg/kg
お湯の様子 水色白濁,硫黄臭+弱アンモニア臭,塩味,かけ流し,適温
料 金 500円 営業時間 7:00〜20:00

 国道7号矢立峠から大館市方面へ向かうと,ちょっと小さめのバス停小屋に日景温泉入口とあるのでそこから曲がって500mほど進むと見えてくる。日本秘湯を守る会の会員宿。大浴場+露天風呂,自炊部浴場がある。

 大浴場は男女別で,露天風呂は混浴で利用する。6時〜7時,19時〜20時までは女性専用タイムとなる。お湯は極上の硫黄泉。山の裏のなりや温泉と同じ系統のにおいを呈し,色はスカイブルーの硫黄泉。それがとぷとぷと注がれている。これぞ硫黄泉といった感じ。湯の沢温泉と同じで,しっかりと塩味がする塩化物泉。日本秘湯を守る会の宿でありながら,値段が400円とリーズナブルなところもうれしい。今度はぜひ自炊部の浴室にチャレンジしたい。

H17/11/3


 再訪しました。自遊人のクーポンの期限が1/31だった都合で今回立ち寄りで利用しました。当然のことながら目的は自炊部浴室です。平日ということもあり駐車場には車が1台もいません。この日は贅沢なことに完全貸切で利用することができた。

 受付で右に曲がり真っ直ぐ進み突き当たったところに自炊部の浴室がある。暗いので最初通り過ぎたが,硫黄の香りに連れ戻された。小さめの浴室で,木造の湯小屋にタイルで造られた小さい浴槽がとても印象的。見た目は青白いというよりはエメラルドグリーンにも見えてくる。白い硫黄分の膜がお湯の表面に張っており,入る前からお湯の濃さがうかがえる。パイプの湯口からは温めの源泉100%日景の湯がどばどばと注がれており,心地よい硫黄臭を香らせている。お湯が温いためじっくりとっぷり浸かることが出来た。この日はこの浴槽に30分ほど浸かり,そのうち10分くらいは窓を開けて雪がしんしん降り積む中,雪見風呂を楽しんだ。湯の落ちる音以外何も聞こえず,ゆったりと時間が過ぎていくのが印象的だった。

H19/1/10

  
木をふんだんに使った浴槽。      湯口も丸太をくりぬいた形で注がれている。    露天風呂は時間制で女性専用タイムがある。

   
  ちょっと気を抜くと見落としてしまいそうな場所にあります。 すばらしい空間にすばらしいお湯。   注ぎ口には目のないゾウのじょうろが・・・。


 閉館が決まったという話を聞いていつかは行こうかと思っていたところ、近くまで出張の仕事があったので、出張帰りに平日に立ち寄りしました。平日と言うだけあって、館内はひっそりしていました。玄関にかけられていた秘湯会のちょうちんもしまわれ、電気コードだけが寂しそうにむき出しになっていました。

 さて、最後のお別れはどっちの浴室にしたいの?と言われたら迷わず「右」と答えるでしょう。その通り、小さなシンプルな浴室である湯治部の浴室を選びました。数年前にリニューアルしたらしいという話は聞いていたが、今まで行かずじまいでした。今回初めてリニューアル後の湯治浴室に入りました。扉を開けると以前と同じ配置の正方形浴槽が1つあるだけで、あとは床がなめらかになっていたり、湯口が丸太で整備されていたり、壁の板が新しくなっていたり…。その程度で、佇まいや雰囲気は全く依然と同じままでした。温めの硫黄泉が静かにかけ流されています。香りは以前よりもマイルドになり、アンモニア系の香りが薄まり、硫化水素系の香りが濃くなったように感じます。日景や湯ノ沢を個人的に敬遠させていた理由はこのアンモニア系の香りだったので、この変化には驚かされました。逆にここまでマイルドならもっと来ておくべきだったと。
 1時間近く滞在し、名残惜しいけれども浴室を後にしました。湯ノ沢→赤湯→日景と続いた矢立峠温泉街道の歴史もまもなく幕を閉じます。強烈でありながら時代にマッチし得なかったこの温泉たちから学ぶことはいっぱいあるのではないでしょうか。今後このような悲しい出来事は連鎖するはずです。そうならないためにも、みんなでもっと無くしたくない温泉地を盛り上げていく必要があると思います。(無くなるとわかってからではもう遅いのですから…)

H26/7/30



最後のお別れは湯治部の浴室を選びました。リニューアルされて美しくなったのは数年前のこと・・・。 残念ですがこの浴室ともお別れなんですねぇ。