肘折温泉(Hijiori Spa   


施設名 元湯 亀屋旅館
場 所 山形県大蔵村南山
源泉名 上ノ湯1号源泉 他にも,2,3,4号混合源泉も利用
泉 質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹−食塩泉)
温 度 51.6℃ pH 6.6 溶存成分総計 2,283mg/kg

(Na 659mg, Ca 75mg, K 53mg, Mg 24mg, Cl 774mg, HCO3 716mg, CO2 300mg)

お湯の様子 無色透明,塩味+炭酸味,温泉臭,熱め,かけ流し
料 金 200円 営業時間 10:00〜16:00位,要相談

 肘折温泉のメイン通り中央,上ノ湯共同浴場から源泉公園へ向かってすぐの並びにある湯治旅館。もともと独自源泉(白い湯花が出る独特の自噴泉)があったのだが,上ノ湯源泉の掘り直し工事に伴い湧出が止まってしまったため,その代替としてすぐ隣の上ノ湯1号泉を特別に分けてもらっているという珍しい旅館。「傷の湯」源泉は上ノ湯共同浴場とここのみで味わえる。旅館の名称に「元湯」という文字がつくのは独自源泉を所有していた頃の名残。共同浴場と同じく200円で味わえるところもうれしい。

 入口から道路に面した縁側のような廊下を進み,右に曲がった先に浴室が2つある。左が混浴浴室で,右が男性専用浴室。男性専用浴室はうす茶褐色の2,3,4号混合源泉が注がれる浴槽が1つある浴室で,お湯の色は肘折温泉らしさが出ている。それよりもびっくりするのが左側の混浴浴室である。こちらは大小2つの浴槽が並んでおり,それぞれに別源泉(?)が注がれている。右側の大きな浴槽が上ノ湯源泉で,塩味がはっきりある炭酸泉。透明で濁りがない透き通ったとても美しい源泉である。やや熱めにセッティングされており,心地よく入浴できる。もう一方の浴槽がびっくりだ。ちょろちょろとしか注がせておらず, その時はまだ膝下程度までしかお湯が溜まっていないのだが,そのお湯の強烈さをしっかり感じ取ることができた。湯口だけでなくお湯からは純粋なアブラ臭を感じることができ,表面には国見温泉で見るようなパリパリとした湯花が膜を張り始めている。何だ?このお湯は?と思い,味わってみると味も浴感も全然違うのだ。このお湯が溜まったらどんなお湯になるのだろう。おそらく湯治客がお湯に浸かる夕方には浴槽にお湯が満たされるのだろう。女将さん曰く,男性専用浴室のお湯と同じ(共同源泉)だそうだが,最近配管の調子がおかしくて湯量が減ったのだそうで…。(でも男性浴室はドバドバ出ていたぞ?)
 ここはとても気に入っただけでなくお湯の調子もしっかり確かめたいのでいつの日か宿泊で利用しに来たいものです。それにしてもアブラ臭は偶然なのか…。(つづく)

H19/6/16

  
こちらが左側(混浴)浴室。右が上ノ湯源泉,左が・・・。   湯口の脇にある宇宙人にも見えてしまう地蔵さま。    こちらが右側浴室。2,3,4号混合源泉。


(続編)湯めぐらんすin肘折温泉にて宿泊利用しました。今回は湯治プランで1泊2食付きで5500円という設定です。食事は必要最低限で,それ以外は自分たちが好きなものを持ち込んでくださいとのことだったので,そういうプランで設定させてもらいました。この日は全館貸し切り状態で,5つの部屋を貸してもらい夜までじっくり亀屋旅館のお風呂を満喫させてもらいました。
 夕食はシンプルですが,これだけでも十分といった内容でした。これに自分たちでおかずを持ち込んだため,ずいぶんと余してしまいました(反省)。いよいよ亀屋のお風呂を満喫です。左側混浴浴室は相変わらず1号泉,2+3+4号泉が張られた2つの浴槽があり,どちらからも素敵な香りを放っていました。当然のことながらお目当ては1号源泉です。無色透明で炭酸味があるお湯は他のどの旅館にも引かれていない上ノ湯源泉で,これのためにここに宿泊したようなものです。仲間も入れ替わり立ち替わり何度も浸かっていました。前回謎だった混合泉浴槽は,やや温めの設定で金気臭が香る一般的な肘折のお湯でした。しかもこの日は2号泉の調子があまり良くないとのことで,無色透明になっていました。温めの混合泉に浸かり,その後ビリッと1号泉に浸かる。これを繰り返し,のんびりと湯浴みしました。
 真夜中には貸切と言うこともあり,女性浴室のお湯も堪能させてもらいました。女性浴室のほうは,換気が良いためなのか湯気が篭もらず冷えたような空気が漂っていました。やや熱めのお湯に浸かって,洗い場で休んでいるとあっという間に体が冷えてしまいます。無色透明でややうす茶色がかったお湯はぴりっと熱いのですが,芒硝泉のような汗のひき方が特徴的でした。寝る前にもう一度1号泉に浸かったのは言うまでもありません。
 次の日朝食後にそれぞれのメンバーが湯巡りにでかけ,自分は亀屋の風呂を満喫しようと女将さんと話をしていると,実はもう一つお風呂があるとのこと。これはラッキーと思い,さっそく新館2階の混浴浴室を訪れてみました。
 こぢんまりした浴室に四角形の浴槽が1つあり,混合泉が注がれかけ流されている。女将さんの話だと2日くらいだれも使っていないから湯花がひどいので…,とご謙遜なされていたのですが,逆に好都合でした。 留守番をしていてホント良かったと思いました。新館2階の浴室は湯花が多い分だけ成分が濃いように感じました。宿泊した際に味わうことができる特権でしょう。ここはまたいつか宿泊したいと思いました。
 それにしても三春屋といい,若松屋といい,宿泊したい宿がいっぱいなので肘折温泉は困ってしまいます。

H21/1/10宿泊

  
夜の混浴浴室。1号泉の香りがしっかり漂います。    湯口から注がれる源泉も絶好調。    こちら2,3,4号混合泉。 アブラ臭はありませんでした。

  
夕食で出たお膳。湯治プランなのでこれに自分たちで好きなおかずを作りました。    寝た部屋も設備十分です     朝食も超シンプル。これで十分です。

  
こちらが新館にある混浴浴室。      2日ほど湯花がたまっていたのでお湯が濃く感じました。   パイプからそのまま注がれ続ける混合泉。