肘折温泉(Hijiori Spa   


施設名 五兵エ旅館
場 所 山形県大蔵村南山
源泉名 肘折温泉組合2号泉・3号泉 ※分析表示は3号泉
泉 質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹−食塩泉)
温 度 75.6℃ pH 6.8 溶存成分総計 3,064mg/kg
お湯の様子 薄茶褐色透明,適温,金気臭+温泉臭,塩味+炭酸味,かけ流し
料 金 営業時間

 肘折温泉街に入る入り口に建つ温泉旅館。国道から降りてくるとまず一番目に現れる旅館。メインストリートよりも河原湯寄りにあり,玉乃屋や柿崎もち屋のはす向かいになる。

 内湯が2箇所あり,片方はやや広め,もう片方はかなり狭めの浴室だ。客室数が少ない小さな旅館のため,あえて小さい浴室にしているという話を伺った。今回は狭い方の浴室を利用させていただいた。無色透明でうっすら茶褐色を呈したやや熱めのお湯が湯口から少しずつ注がれ,かけ流されている。底まで透き通って見えるほど美しいお湯だ。湯面からは温泉臭が香り,後から金気臭がついてくるような感じの香りだ。口に含んでみると塩味がしっかりする炭酸味で,冷えた体が一気に温まった。体を浴槽に沈めると,洗い場は一気に大洪水になった。すさまじい轟音とともに廃湯口にお湯が流れ込んでいく。それが済むと周囲は静まりかえり,湯口の音以外聞こえなくなった。小さな空間に自分だけのお湯を満喫できる場所がある。これだけで何とも言えないほど贅沢な時間を味わうことができる。ほんの10分程度…と思っていたのだが,結局30分以上もここのお湯を味わわせてもらった。帰り際「料金はとったことが無いから…」と言われ,湯銭を受け取ってもらえなかった。ここの旅館も,肘折の伝統として根付いている昔からの「お湯はみんなのもの」という意識を大切にしているのだと思った。この場を借りて改めて感謝したいと思います。

H20/12/29


  
浴室は中くらいの広さと狭いのが1つずつある。こちらは狭いほうの浴室。   湯口から注がれる透明な源泉。    かけ流されていく様子がとても素敵です。