温泉(Dai Spa    


施設名 ホテル三右エ門

場 所 岩手県花巻市台
源泉名 台温泉(2号泉)
泉 質 単純硫黄泉
温 度 93.5℃ pH 8.4 溶存成分総計 855mg/kg (H2S 0.1mg)
お湯の様子 無色透明,無味,微アブラ臭,かけ流し
料 金 500円 営業時間 10:00〜15:00 だが,宿次第

 台温泉のちょうど真ん中あたりにある大規模ホテル。宿泊客などを優先しているため,事前に電話などで利用のお願いをすると時間を指定してくれる。

 入口から入って左の奥に男女別の浴室がある。脱衣所から入る入口はなぜか2箇所あり,右側から行くと浅い浴槽と露天風呂入口が,左側から行くと深い方の浴槽の側に出る。浴槽は繋がっているため浴槽の中を通っていくと反対側に出られる。さて,お湯だがこれがすばらしい。湯口から3段になっている階段を滑らせて注がせる先に湯を貯める塩ビ管があり,そこに落ちたお湯がさらに浴槽の底から注がれる仕組みだ。これによって湯を冷まし加水を控えられるように工夫しているのだ。湯口では何と台温泉ではあまり感じられるはずのないアブラ臭が感知できるのだ。やや上手の松田屋本館の浴槽でも同じ香りがしたことがあるが,台温泉2号泉は硫黄臭よりもアブラ臭が強くなる日が多いらしい。湯口で感じ取られるアブラ臭にうっとりしながら適温になったお湯に顎までどっぷり浸かると幸せな気分になれる。左側浴槽は深めのため落ち着いて湯に浸かることができる。露天風呂は小さく,小さい浴槽にちょろちょろと岩を這わせてアブラ臭の香る源泉を少しずつ注がせてかけ流している。この日の天気が雨だったため若干湯温が下がり気味だったが十分満喫できた。景色よりも外の風に吹かれながら台温泉を味わえるのがよい。この旅館は台温泉では数少ない露天風呂のある施設だ。
 何はともあれ,ここは湯遣いを大切にしたこだわりの旅館である。帰り際に女将さんとお話をする機会があり,お客さんがむやみに加水しないようにとあのような工夫になったのだと伺った。しかもお客さんが居ないときにお湯を抜き,こまめにお湯を入れ替えるようにしているということだった。一見大規模ホテルのように見えるのだが,加水をしないようにお湯のコンディションにこだわっている姿勢がはっきりと見えるすばらしい施設だ。

H19/8/8


  
こちらが内湯。手前が深め。奥が浅めの浴槽。   湯温を冷ますための3段湯口。投入後も浴槽底から熱い湯が投入。  狭いながらも露天風呂。

 
露天風呂もちょろちょろ源泉100%にこだわる。   入口が2つあるのは昔の名残か?