湯宿温泉(Yujuku Spa


施設名 共同浴場「松の湯」
場 所 群馬県みなかみ町布施
源泉名 窪湯
泉 質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
温 度 63.0℃ pH 8.0 溶存成分総計 1,310mg/kg
(Na 227mg, Ca 156mg, SO4 693mg)
お湯の様子 無色透明,熱め,弱甘み,薬系芒硝臭,白い湯花少々,ビリビリ,かけ流し
料 金 100円 営業時間 13:00〜22:00

 群馬県みなかみ町旧新治村の三国街道沿いにある温泉街の共同浴場。ここには地元住民が利用している共同浴場が4つあり(上区に2つ,下区に2つ)それぞれを鍵制で管理している。たいてい2つの共同浴場が日替わりで鍵を開けて開放されているが,鍵が開いていない時に利用する場合は地元の住民に断って鍵を開けてもらい,100円の協力金を支払うと良い。
 この松の湯は基本的に下区の住民が管理しており,下区には旅館が1軒もない閑静な住宅街。しかも表通りから約20mほど細い路地を入った先にあるため始めていく場合は見つけられず,地図に頼ることになる。今回はラッキーなことに鍵が開いており,しっかり協力金を支払ってありがたく利用させてもらった。

 脱衣所一体型で寂れた感じの浴室に仕切を隔てて男女の浴室と繋がっている内湯浴槽が1つあるだけのシンプルなもの。床はタイルばりで,壁や天井は立派な木組み。湯口は浴槽の横の升に一旦貯められて冷まされ,静かに注がせる方式となっている。熱めのお湯は45℃程度に保たれているが,芒硝泉ならではの体感温度アップで47℃ほどに感じる。ビリビリする浴感と湯面から漂う薬系の芒硝臭が感動を誘う。この香り,青森の大鰐や浅虫の独自源泉で嗅ぐ時の香りと同じである。これぞまさしく芒硝泉だ。
 芒硝好きな自分は我を忘れて長めの時間その湯に浸かってしまいました。閑静な住宅街にあるため,自分たちが静かにすると本当にお湯の音しか聞こえません。しぃんと静まりかえっている中,湯が溢れていく音に耳を傾けてみると,普段はあまり耳にしないような小さなお湯のささやきが聞こえてきます。まさしく「感動の湯浴み」です。
 しばらくすると地元のおじいさんがやってきて,浴槽の中でいろいろお話しすることが出来ました。昔,松の湯が表通りに面していた(50年近く昔)というお話や,マナーが悪い客が来たときの話など,いろいろお話を聞かせてもらいました。地元の方とお話ししながらゆっくりお湯に浸かるのも共同浴場ならではの光景です。この日自己最高の湯破数を記録した後だったにもかかわらず,ここのお湯は全然疲れませんでした。逆に浸かれば浸かるほど元気が沸いてくるようなお湯でした。芒硝好きにはたまらないです。

 4つある共同浴場はどれもお湯は同じ感じでどの建物もこぢんまりしているのですが,一番古い建物で大切に守られている感じがするこの松の湯が一番すばらしく感じました。個人的にここは今回の旅行で一番印象深いお湯になりました。いつの日か建て替えられる日が来るでしょうが,それまでの間もぜひ住民達の心と体を癒し続けていってほしいと思います。

H19/7/15感動の夜


  
こちらが渋いタイル浴槽。格子の先で女湯と繋がっている。    湯口はこの小さな升から静かに注がせている。   こちらが料金箱。しっかり払いましょう。