猿ヶ京温泉(Sarugakyo Spa)
施設名 共同浴場 いこいの湯 場 所 群馬県みなかみ町猿ヶ京 源泉名 村有1号泉 泉 質 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 温 度 57.7℃ pH 7.5 溶存成分総計 1,269mg/kg (Na 201mg, Ca 174mg, SO4 511mg, Cl 202mg)
お湯の様子 無色透明,無味,ほぼ無臭,強烈熱め,震度4,かけ流し 料 金 300円 営業時間 10:00〜22:00
群馬県猿ヶ京温泉の外れに位置する共同浴場。入口の券売機で入浴券を買い,それを箱に入れて入浴する仕組み。この日は開店時間に訪れたため,新鮮すぎるお湯が出迎えてくれた。
木で組んだ立派な梁が印象的な湯小屋で,内装はかなり近代的だ。十和田石を敷いた浴槽の縁は木で枠が組まれており,その枠の上をサラサラとお湯がかけ流されているのがわかる。これは大量かけ流しではないですか!喜びのあまり友人が浴室内へ一番乗りした…
「アチーーーーーーーーー!」
友人の叫び声が浴室内に響いた。どうやら源泉100%のためかなり熱いお湯がかけ流されていたらしい。友人はかけ流しで床の上を流れているお湯の上で飛び跳ねていた。間違いなく52度以上はあるだろう。手で触れることさえも困難な状況だ。きっと夜に清掃してそのまま朝までお湯を源泉のままつぎ足していた証拠だろう。今回は泣く泣く加水を決意した。ホースを使って加水するが一向に湯温が下がらない。そりゃそうだ,湯口から注がれる量が半端じゃない。浴槽の脇にあるつぎ足し蛇口からも水を投入する。5分も加水を続けたところやっと手で触れるまで下がった。それでもまだ50度ある。意を決して湯に浸かった。熱い,熱い,でも,気持ちいいかも。入ってしまうとあとは何とかなるもので,友人も次々とお湯に浸かった。これは熱すぎます。今回のツアーの中で一番の熱さでしょう。ホントに参りました。
熱湯と格闘しているときに一般のお客さんも一人入ってこられた。この尋常じゃない熱さにびっくりし,そしてその熱湯に入る私の姿にもかなり驚いていたようだった。友人は「この人,異常ですから」と説明までしていた。事件はこのすぐ後に起こった。突然湯小屋が大きく揺れ始めた。地震である。我々はこの時真っ裸で巨大地震を味わった。仙台在住の友人は「こちらが県境にある温泉浴場です。真っ裸の観光客が緑タオルを持って共同浴場から飛び出して逃げる様子が見られました。」とニュースで報道されるのではないかと楽しみにしていたようだが,残念ながらみんなこの時は比較的落ち着いていた。さすが立派な木の梁が組まれただけあってここの湯小屋はびくともしない。かなりの揺れだったが約30秒ほどで落ち着いた。これがこの日起こった新潟に大ダメージを与えた中越沖地震である。我々は,新潟に一番近い群馬県の外れの三国街道沿いで地震に遭遇したにもかかわらず,ほとんど被害を受けなかった。この地震,中越地方と長野県北の一部に大きなダメージを与えたが,意外や意外,群馬県はほぼノーダメージだったのである。かなりの人たちに心配させたが,群馬県は道路,電気,水道,電話,交通など,どれもほぼ日常通りに動いていた。
おそらく5分間も加水を続けたために,温泉を湛える大地がきっとお怒りになったのだろう。今後はやはり熱湯でも加水はなるべく控えるようにしたい。
H19/7/16
すごくシンプルな浴槽は広めで10人以上一度に入れる。 湯口からドバドバ新鮮なお湯が注がれる。 入口の入浴券入れの箱。