西山温泉(Nishiyama Spa)
施設名 旅館 新湯 場 所 福島県柳津町砂子原字老沢 源泉名 新湯 泉 質 ナトリウム-塩化物泉 温 度 71.2℃ pH 6.7 溶存成分総計 4,757mg/kg (H2S 3.8mg, HS 1.7mg, CO2 106mg) お湯の様子 無色透明やや黄色,石膏臭,熱め,かけ流し 料 金 500円 営業時間 9:00〜17:00
福島県柳津町の山奥,国道252号線から約10kmほど東側の山へ入っていく。旅館群の中で一番奥に位置するのが新湯で,独自源泉「新湯」と「荒湯」を持つ。この旅館よりも道を奥に進むとせいざん荘という日帰り施設があり,ここと同じ「荒湯」源泉を利用している。
日帰り入浴をお願いすると女将さんが快く対応してくれた。この旅館は男湯に「荒湯源泉」を,女湯「新湯源泉」を利用しており,新湯源泉はここでしか味わうことが出来ない。従ってできれば新湯源泉のある女湯に浸かりたかったのだ。まず「どちらの浴室でも良いのでしょうか?」とおそるおそる伺うと「誰もいないからどちらでもどうぞ。」とあっさり許可して下さった。迷わず古い方の浴室「女湯」の方を利用させてもらった。女湯に向かう前に男湯を見学してみると,男湯はリニューアルしたらしく新しい造りの浴室で,カランやシャワーなどの設備がしっかり整っていた。女将さん曰く「私は男湯しか使わないよ。だって温泉というよりもシャワーがあるのが大事だから。」と笑っていた。なるほど,そこに住んでいる人にとっては使い勝手が大切なんだものなぁ,と温泉好きとの違いを痛感した。
さて,いよいよ女湯へ向かうことにする。長い階段の先にほんのり浴室入口が見える。階段を下っている途中で新湯源泉の井戸の蓋の上にネコが2匹ぬくだまっていた。やはりどこへ行ってもそうなのだが「ネコ&温泉」は切っても切れない関係だと思う。かなり下ってやっと脱衣所へ到着した。そして脱衣所から浴室を覗くと,そこには実にすばらしい光景が広がっていた。コンクリート造りの浴槽が2つあるだけ。あとは湯口から静かにお湯が注がれる。たったそれだけなのだ。これには身震いするほど感動しました。手前の浴槽は52℃。撹拌してもなお49℃で,とてもじゃないけれど入れる温度じゃない。そこでまずは奥の浴槽から入った。湯口付近は硫黄系アブラ臭が香ばしく香る。そして甘塩味を呈しているお湯には湯花がちらほら浮かぶ。温い方の浴槽でも45℃あろうか。やや熱めのお湯がとても心地よい。湯口付近に鼻を近づけ,香しい香りを嗅ぎながら湯浴みさせてもらった。貸切のため,湯口から湯の落ちる音と川の音しか聞こえない。これぞまさしく湯治の雰囲気である。いよいよ意を決して熱い方へチャレンジした。体にしっかりかけ湯し,温度に馴らし,いざ突入。だめでした。10秒が限界です。お湯の香りは熱い浴槽の方がしっかり香っていただけにこれは残念でした。でもその後,再び温めのお湯に浸かり直し,しばし時が経つのを忘れさせてもらった。湯から上がり,女将さんと話すと「手前の浴槽は入る人いないよ。」とさらりと言われた。でもうちの温泉仲間ならきっと入るよなぁ,と思いながら聞いていたが,一般的には奥に入るんだそうで…。いい思い出ができました。ここは再訪は確実でしょう。一度ゆっくり宿泊で利用してみたいです。
H19/3/24
こちらが女湯。新湯源泉を利用している。手前浴槽は激熱。 湯口から一旦熱い方へ注がせる。 帰りの上り階段。ぐったりしていると辛い。
こちらが男湯。荒湯源泉を利用している。新しめでシャワーがある。 湯口も樋を使ってシンプル。 階段途中で見かけた源泉でぬくぬくのネコたち。