いわき湯本温泉(Iwaki Yumoto Spa


施設名 ホテル 住乃江
場 所 福島県いわき市常磐下湯長谷町勝善
源泉名 常磐湯本温泉(湯本温泉源泉)
泉 質 含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
温 度 59.0℃ pH 8.1 溶存成分総計 1,740mg/kg
(Na 523mg, Cl 556mg, SO4 390mg, HS 9.5mg)
お湯の様子 無色透明、薄塩味、鉱物系アブラ臭、あつめ、かけ流し
料 金 日帰り設定なし 営業時間

 いわき湯本温泉の温泉街から遠く離れた下湯長谷町という地区にある温泉旅館。普段から日帰り不可の旅館で、フラオンパクや震災後の810(宿の湯)解放日のキャンペーンなどで希に入浴が可能になる。今回はちょうどタイミング良く日帰り入浴のチャンスをもらい入浴させていただいた。

 入り口から入って奥に男女別の内湯が一つずつある。内湯は小さい造りで、2人〜3人サイズのタイル浴槽が一つあるだけのシンプルなもので、岩を伝わせた湯口から源泉100%でかけ流しになっている。浴槽が深めなのでとっぷりと顎までお湯に浸かることができる。早速かけ湯をしてからゆっくりと顎までお湯に浸かり、洪水のように溢れ出すお湯を見ていると本当に贅沢な気分になれた。お湯はうっすら茶色っぽく見えないこともないが無色透明で鉱物系のアブラ臭が香るお湯だ。この香りは山形東根温泉で嗅いだことがあるアブラ臭で、硫黄系のお湯で時々みられるアブラ臭だ。湯面全体からうっすら香ってくるので上品な感じがする。やや熱めにセッティングされたお湯は心地良く、湯から上がると一気に汗が噴き出してくる。浴槽の縁に腰掛けて体の汗を一通り出し切ってからもう一度浴槽に浸かった。先ほど溢れ出しきったはずなのに、またお湯が洪水のように溢れていく。小さい浴槽ならではの贅沢な湯浴みだ。
 湯上がり後に宿の人と話をする機会があったのだが、やはり震災後からこのアブラ臭に悩まされているのだそうだ。個人的にはこれはこれで素晴らしいお湯だと思うのだが、生まれたときから湯本で暮らしている人にとっては大きな事件ですから…。この旅館は浴室が小さいため日帰りを断っているのだという。宿泊のお客さんを大切にしたいという宿の心遣いに納得がいった。震災にも負けずに、これからも良いお湯を提供し続けていって欲しい。

H23/8/11


  
小さめで深めの浴槽。お湯の色は無色透明。   湯口から注がれるお湯からはアブラ臭が香る。   溢れ出しは豪快です。見ていて気持ち良いです。