いわき湯本温泉(Iwaki Yumoto Spa


施設名 上の湯
場 所 福島県いわき市常磐湯本町
源泉名 常磐湯本温泉(湯本温泉源泉) H22/7/16分析
泉 質 含硫黄-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
温 度 58.9℃ pH 8.2 溶存成分総計 1,824mg/kg
(Na 541mg, Cl 618mg, SO4 343mg, HS 10.1mg, H2S 0.7mg)
お湯の様子 震災前)薄黄色透明,タマゴ味+薄塩味,硫化水素臭,あつめ,かけ流し

震災後)無色透明、うす塩味、硫黄臭、熱め、かけ流し

料 金 100円 営業時間 15:00〜22:00

 福島県いわき市にある湯本温泉財産区が管理する共同浴場。温泉街から少し離れた上川地区にあるため,わざわざこちらまで足を運ぶ観光客はあまりいない。場所はJR常磐線の線路沿いにある酒屋と酒屋の間にあり,2階に集会所を備えた白い建物が見えるので線路沿いに移動しているとすぐに見つけることができる。

 男女別の入口から入るとまず番台があり,そこで入浴料金を支払う。脱衣所から奥にこぢんまりしたタイル造りの浴室が見える。この日は夕方17時ということもあり,地元の人たちでたくさん賑わっていた。奥に細長い台形の浴槽は深めで,奥の壁沿いにひょっこり鎮座するカモ湯口から熱いお湯が注がれている。その横には白い鳩オブジェがあり,壁の蛇口をひねるとそこから勢いよく水が注ぎ込まれるようになっている。カモと鳩という妙なオブジェ湯口にまず感動を覚える。この日の湯温は48℃。熱すぎである。地元の人たちも「今日はお湯を出しすぎだ」とぼやいていた。そのためこの日は鳩が大活躍だった。カモ湯口から注がれるお湯は濃厚でタマゴ味に混じって薄塩味も感じる硫化水素臭がマイルドに香り,うっすら緑がかったお湯が美しく見える。それにしても湯温が熱い。加水してもそれでもなお45℃はあった。体中がビリビリしてくるような刺激的なお湯だ。長湯しているとのぼせそうだったのでひとまず湯から上がってしばらく体から吹き出してくる汗を絞り出した。浴室内はとても賑やかで,地元住人が近所の人と楽しそうに会話を交わしている。いいなぁ,この風景は。これぞまさしく日本古来の共同浴場の姿ではなかろうか。そんな素敵な共同浴場に浸かる人たちの仲間に入れてもらえたこと自体が非常にうれしく思えた。
 湯上がり後,共同浴場前で夜風にあたっていると,「良いお湯だったろ。」と地元のおばさんに話しかけられた。地元の人たちも誇りに思うすばらしいお湯に浸かることができたという実感をさらに深め,何だかうれしくなってしまった。

  
台形浴槽が1つ。やや深めで細長い。   このカモ湯口から熱々源泉が注がれる。   こちらのハト湯口からは加水用の水が注がれる。

※ 東湯の移転に伴い平成19年11月から上の湯の料金が100円に値上げになります。
  さはこの湯は従来通りの220円。新東湯は200円になるということです。

H19/10/6


 東日本大震災後に久しぶりに湯本温泉を訪れた際、それまで硫化水素臭が香っていた湯本特有の源泉があまりにも変化していたので、一番源泉湧出地に近い上ノ湯を訪れてみた。以前はビンビンの硫化水素臭が香っていてタマゴ味がしていたお湯はさらりとした浴感に変わっていて、硫化水素系の香りよりは硫黄系(H2S)の香りが漂っていた。味はうす塩味でうっすら硫黄味といったところか。沢山舞っていた湯ノ花も少なめで小さい。やはりこれは源泉の成分が変わったと捉えるのが正しいような気がする。
 浴室内にはシャワーが2本準備され、地域住民にとっては使いやすい施設となった。深めで縦長の浴槽は相変わらずで、鳩湯口ではなく御影石湯口から凄い勢いでお湯が注がれていた。湯本温泉の中で一番新鮮なお湯遣いは健在だった。

H23/8/11

  
タイル浴槽が一つ。相変わらず深い。    湯口が変化しました。趣は以前の方が良いかも?  シャワーが設置されています。