夏瀬温泉(Natsuze Spa) 


施設名 都わすれ
場 所 秋田県仙北市白岩広久内字夏瀬
源泉名 夏瀬温泉
泉 質 ナトリウム-硫酸塩泉
温 度 41.0℃ pH 8.1 溶存成分総計 1,480mg/kg

(Na 231mg, Ba 294mg, SO4 809mg, Ca 183mg)

お湯の様子 無色透明,無味, 弱温泉臭,源泉かけ流し,ぬるめ
料 金 500円 営業時間 要問い合わせ

 仙北市の国道46号線から細いダートを6kmほど進んだ先にある1軒宿の旅館。以前はダム建設や林業関係者の湯治場として賑わっていたものが時代と共に衰退をし廃業してしまった。それを乳頭温泉妙の湯の女将さんが廃墟となっていた夏瀬温泉を買い取り,修復し再生して平成17年に営業再開させたもの。昔ながらの良さを残し,高級貸切温泉旅館として完成度の高い宿となっている。入り口から延々とダートが続く。この道路は舗装することなく,途中にある美しい神代ダムを眺めたり,落石などで道の半分がふさがれていたりと,自然のすばらしさ(?)を満喫しながら宿までの道のりを進むことになる。こういうアプローチが苦手な人は無理して訪れることはない。

  
このようなダートを延々進む。途中で岩肌が崩れているところもある。   途中の神代ダムは非常に美しい。晴天だとなお良い。    たどり着いた先にある和風旅館

 やっとのことでたどり着いた先には平屋の和風旅館が待ちかまえている。旅館のすぐ脇には名所のスポットの案内板やヘリポートがある。上品な長い玄関へのアプローチを進み,重い引き戸をあけるとプゥンとお香の香りが漂ってきた。500円の入浴料を払い,一番奥の桃源の湯という湯小屋へ向かった。
 母屋とは独立した湯小屋で,立派な木造の湯小屋だ。桃源の湯小屋からちょっと先には時間制で男女が使い分ける夏瀬の湯という露天風呂もある。ここは別料金で利用が可能らしい。さて,さっそく桃源の湯小屋へ入ってみる。運良く貸切で誰一人いない。脱衣所もレトロな感じで,とても上品な感じのアメニティがそろっている。そしていよいよ誰もいない貸切の内湯浴室へと突入した。総木造のこぢんまりした浴室で,洗い場がセパレート式で3つ,あまり広くない木造の浴槽が2つ並んでいる。広い窓の先には大自然が美しい景色を広げている。ほんわり湯気が上がる湯小屋の天井は高く,木で組んだがっしりした柱がまた堂々としていて良い。ふわっと湯面からは温泉臭が香ってくる。すばらしいです。奥が温めの38℃(湯量少なめで源泉100%)手前がやや加温あり?の41℃(湯量多めで源泉100%)と適温になっている。浴槽の底はスノコ状になっておりやや浅めのお湯にとっぷり浸かると非常に心地よい。無色透明でやわらかめのお湯だ。湯口である蛇口のまわりには芒硝泉らしいこびりつきがしっかり見られる。最近自分が温湯好きなので,このお湯は大変気に入りました。あまりにも気に入ってしまい,そのまま1時間以上そのお湯に浸かり続けてしまった。しかもその1時間半という時間他の浴客がだれも訪れず,贅沢にもフルタイム貸切で利用させていただいた。それでいて1時間以上浸かり続けても飽きが来ない素晴らしいお湯を楽しませてもらった。

 高級旅館というイメージが強かった夏瀬温泉だが来てみて考え方が変わりました。ここはオンシーズン(夏や春)にもぜひ訪れて,このお湯をじっくり味わってみたいと思いました。

H21/3/7


   
こちら独立湯小屋の桃源の湯。            入り口の文字がとても力強い。          素敵な2つの浴槽が並ぶ。

   
湯口にこびりつく芒硝成分。これを見ているだけで30分はうっとりできます。   窓の景色が映る適温浴槽。    手前適温浴槽。奥が温めの浴槽。

  
セパレート式の小さな洗い場が3つほどあります。   木造の美しい浴槽アート。床板のスノコも素敵です。    脱衣所もモダンな感じがします。女将のセンスの良さが光る。